これではゴホン!といえない…中国でのど飴の偽造品出回る

佐藤 利幸 佐藤 利幸

 「ゴホン!といえば」。…龍角散。それ以外は考えられないのだが、その「龍角散ののどすっきり飴」にそっくりな飴が中国で出回っているとSNSで話題になっている。中国在住の男性が今月5日「龍角散のどすっきり飴のニセモノ登場。要注意。」と警告するツイートを投稿した。

 投稿された「龍の散」のパッケージ写真を見たユーザーは「色もそっくり 本物には下の緑の葉っぱは無い」「藤の家紋が蓮の花になってる?なんか中国っぽい」「フォント一緒だし」「のどすっきり飴信者だけどこれは絶対に許さない」といずれも看過できないという反応だった。

 発売元の株式会社龍角散(本社・東京都千代田区)側は、偽造品の存在をすでに2年前から把握していたという。海外から「購入したのだが、これは本物でしょうか」という問い合わせが入り、同社が調査したところ偽物だった。担当者は「中国でも健康意識への高まりから日本の製品を購入したいという意向が高まっていると感じておりますが、偽造品を弊社の製品と勘違いして購入してしまうことが発生しており、結果として、消費者の方にご迷惑をお掛けしてしまっているため、該当メーカーに抗議を行っております」と話した。

 被害を拡大させないために、龍角散は自社のホームページ内で「当社商品の偽物にご注意下さい」と、パッケージ上の商品名とマークの違いを写真入りで紹介している。

・正規品には「下がり藤」のマークが必ず記載されています。

・偽物には角がありません。

 さらに、「第三者機関に依頼し、分析した」(担当者)として「龍の散」の成分を分析した結果を報告。それによると、異物が高い割合で認められたとし、アクリル繊維など着衣から混入したと思われる繊維状の異物の拡大画像を掲載している。

 江戸時代に誕生した微粉末ののどの薬「龍角散」。秋田の御典医だった藤井家が、お殿様のために創薬した。1871(明治4) 年の創業以降、一般の消費者も購入できるようになった。今回、偽造品が出回っている「龍角散ののどすっきり飴」は2011年に販売開始。海外でも高い支持を受けており、その売り上げは、同社が直接輸出を行っている香港、台湾、韓国、タイ、アメリカ及び国内でのインバウンド需要想定値の合算として2014年から2018年までで約6倍と伸長している。

 人気があるがゆえに偽造品が出回るわけだが、生薬の微粉末「龍角散」のテレビCMでよく耳にした「ゴホン!といえば龍角散」…これではうかうかゴホン!もできない。

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