映画のクライマックスで携帯のブザー音 苦情をきっかけにマナーの前説を始めた劇場支配人

宮本 裕也 宮本 裕也

映画はいよいよクライマックス…でも聞こえる振動音。その原因はそう、携帯のブザー音。

「電源OFFとマナーモードは違います」、そう語るのは神戸の新開地にある「パルシネマしんこうえん」支配人の小山岳志さん(35)。自ら選択した名作の数々を上映するこのパルシネマもお客様の携帯電話のマナーに頭を悩ませていた。

それはお客様からの苦情から。「映画のクライマックスで携帯の音(ブザー音)がしたよ」

映画のクライマックスはそれ一つで観た時間に対して満足いくかどうか決まるといっても過言ではない。涙を流す瞬間にブザー音が鳴れば、感情が冷めてしまうのも無理はない。

それを聞いた小山さんは取った行動は上映前の徹底した前説。自ら劇場の最前列で携帯電話の使い方、騒音の原因でもあるお菓子の袋のガサガサ音なども実際にお菓子を持ちお客様の目の前で注意する。「鑑賞マナーも説明すると以前のような苦情は聞かなくなりました。ゼロにはならないですけど」。

「シニアのお客様は電源の切り方を知らない方もいる。マナーモードでも振動機能はそのままの方が多いです」。前説では希望があれば小山さん、劇場スタッフで携帯の電源を切りに行くこともあるという。「前説の前に前々説の時間を作って電源OFFと機内モードの違いも詳しく説明したい」と意気込む。

小山さんのマナーへの想いは止まらない。

最近では電波を機械的に遮断するための通信抑止装置の方法を総務省に問い合わせたたそうだ。回答は「通信抑止装置の使用に免許が必要、映画館への装置を設置は法律で認められていない」。これに対し小山さんは「映画を上映するコンサートホールには設置を認められているのにも映画館はNG、納得がいかない。何とか法律が変わって欲しい」とさらに意気込む。

「マナー違反はゼロにはならないので、劇場でもできることを少しずつ実施したい。映画を観るお客様より、音は気にしています。やれることはまだまだたくさんあるので」

ここまで映画館マナーに対して姿勢を崩さない神戸の劇場も珍しい。小山支配人の熱意で法律が変わるのも遠くないかもしれない。

■パルシネマしんこうえん 公式サイト http://www.palcinema.net/

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