「火垂るの墓」で描かれた空襲の凄まじさ今に伝える 神戸に残る戦争の爪痕

黒川 裕生 黒川 裕生

今日、8月15日は74回目の終戦の日。戦争の記憶は年々遠くなるが、よく目を凝らしてみると、普段は何気なく通り過ぎていた身近な場所にも、戦争の凄まじさを今に伝える痕跡が残っている。

映画「火垂るの墓」などでも描かれているように、神戸は1945(昭和20)年、米軍による度重なる空襲で壊滅的な被害を受けた。

神戸阪急三宮駅のホームの天井には、穴を埋めたような補修の跡が幾つも確認できる。これは焼夷弾によって空いた穴とされている。阪急電鉄広報部によると、同駅のホームの建物は1936(昭和11年)に建てられた。屋根も当時から変わっておらず、空襲時にもこの場所にあったという。

等間隔に並ぶ柱の1本も、よく見るとぐにゃりとカーブしている。一見、デザインの一環のようでもあるが、実は空襲時の熱で曲がったと伝えられている。

阪急とJR三ノ宮駅中央口をつなぐ連絡通路でも、すぐ横を通るJR高架橋の分厚い鋼板に米軍機の機銃掃射痕とされる穴が開いているのを見ることができる。この橋桁は近年青く塗り替えられたが、穴はそのまま残されている。

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