世代間ギャップの一因は学校にあった?社会人が先生に「日本総先生化計画」が進行中

広畑 千春 広畑 千春

 結果、子どもたちが目にするのは毎日疲れ果てた顔で電車に乗るサラリーマンたち。そのサラリーマンも自分の仕事を会社関係以外の人から認められる機会はほとんどなく、一番言いやすい部下や新人社員にマウンティングして、自尊心を保つ―という悪循環が生まれることも少なくない。

 そして、最も問題と感じるのは「子どもたちの自己肯定感の低さ」だという。小澤さんは年に数回、高校で講演するが、「幼い頃から成績やスポーツでランク分けされ続けると、自己肯定感がめちゃくちゃ低くなる。でも、実際に社会に出たら、必ずしも仕事の能力に学歴は比例しないし、中卒、高卒で社会を支えている人は山のようにいる。何かに挑戦する大人のカッコいい姿を知れば、もっと夢が持てるのでは」と、「日本総先生化計画」に行き着いた。

 1月にプロジェクトを立ち上げ各地で講演するほか、第一弾として2020年1~3月に社会人1000人を学校に派遣することを目指し、9月には「リーマン、母校に帰る」としたクラウドファンディングをスタート。プロジェクトメンバーには会社員や官公庁の職員、中高生のほか、現役の教員も名を連ね、「小中学校の教員になるには大学などの専門学科に進むしかなく、教員が同質化してしまっている」として、現在の教員免許制度自体に疑問を投げかける教員もいるという。

 9月21日には虎ノ門ヒルズでキックオフイベントを開催。「『先生』と『教員』の垣根をなくし、教育現場に当たり前に社会人を送り込む流れを作りたい」と力を込める。

クラウドファンディングサイトはhttps://readyfor.jp/projects/27724

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