「お魚くわえたドラ猫追っかけて〜」で始まる国民的テレビアニメ「サザエさん」のオープニングで、みかんから飛び出す猫の「タマ」の動きを忠実に再現した「からくり」の動画がXに投稿されて注目を集めています。
タマが勢いよくみかんを持ち上げて、腰をフリフリしたあと、またみかんの中に入るまでのからくりを独学で作ったのは、「からくり工房ハカロウ(@hakaro_karakuri)」さんです。その完璧な動きを見ていると、頭の中に「ル〜ルルルルッル〜今日もいい天気〜」が流れるほどです。
「再現性が非常に高いですね。足を開いて飛び出すところが特に可愛いです✨」
「腰まで振っててすごい本物感!巨大な花が無限に咲き続ける背景も見てみたいです」
「想像以上に大掛かりでした🤣 でも再現度が高く芸術点も高いです🤩」
「素晴らしいの一言! こう言うのはやはりタマの動きから逆算してギアやカムを配置して、最終的に1つの回転軸に繋げていく感じなのでしょうか。素人にはどこから手を付けた物なのかサッパリ分かりません😵💫」
「タマだぁ➰😆 見てて楽しい🎶」
などと凄さに驚くコメント寄せられて、4.7万を超える「いいね」がついています。動画には、歯車とハンドルなどの仕組み部分も映りますが、仕組みの方がみかんとタマの10倍は大きい。ほとんど全てのパーツを3Dプリンターで作っているという「からくり工房ハカロウ」さんにお話を聞きました。
──いろいろな動きをカラクリで表現できるのですね。
これはタマがみかんを持ち上げて何度か腰を振るとみかんの中に帰っていく、というからくりです。僕自身説明が難しいのですが、中にいろんな種類の歯車などが入っていて、全てがタマの動作に繋がっている、という感じです。
──みなさん再現度の高さに驚かれていました。こだわった箇所などありますか?
特にこだわった箇所は、タマが飛び出てきた時に大きく足を広げるところです。再現するのが難しかったです。
──「途中くじけそうになりながらもなんとか完成させた」とコメントされていました。作るのにどのくらい時間がかかったのですか?
制作には1年以上かかりました。でも途中休み休み作ったり他の作品も作ったりしていたので実質はもっと少ないです。
──いろいろな動きをつなげる仕組みが難しそうです。
出来上がった瞬間は感激です。僕は機械工学などを専門に学んできたわけではないので、「本当にこの設計で大丈夫かな」と思いながら進めています。ですので実際組み上がって、想像通り動いた時は全てが報われる瞬間です。
──なぜからくりに取り組まれるようになったのですか?
学生の時、おもちゃを作る授業でたまたまからくりを題材に選んだことがきっかけです。自分の思い通りの動きが再現できた時の喜びがクセになったのだと思います。
──根気が必要そうですが、からくりの魅力とは?
全てアナログなところですね。アナログゆえにちょっと苦悩することもあるのですが、その分、うまくできた時は喜びが大きいです! そして自分の手の力だけで動くおもちゃはなんだか温かみがあります。
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サザエさんのオープニングのタマはとても時間がかかったので、次回はいったん簡単なカラクリを作りたいと話す「からくり工房ハカロウ」さんは、YouTubeにこれまで作った作品を発表しています。今後は、からくりの中身なども公開予定だそうです
■「からくり工房ハカロウ」さんのSNS
・X https://x.com/hakaro_karakuri
・YouTube https://www.youtube.com/@hakaro_karakuri