大阪メトロ・心斎橋駅の新デザイン案が発表に 批判続出の旧案か、新案か…街の意見を聞いてみた

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 大阪市の地下鉄「大阪メトロ」(本社:大阪市西区)が8月29日、駅のリニューアルデザイン案を発表。御堂筋線心斎橋駅をはじめとする5駅の最終デザインが明らかになった。

 2018年12月に15駅の改装計画を発表し、「地域の特色を具体化した」という駅構内のイメージ図を公開した同社。しかし、そのデザインの奇抜さから「悪趣味だ」「派手すぎる」とSNSを中心に批判が集まっていた。

 今回発表されたのは、市民の声を受けてブラッシュアップしたデザイン案。新案では、心斎橋駅天井の「テキスタイル」的なデザインや、堺筋本町駅の「船場言葉」のあしらいが無くなるなどの変化が見受けられる。

 このデザイン案変更について、同社の河井秀明社長は、「基本的な考え方は変わっていないが、デザインコンセプトを練り直してもらった」とコメント。「各駅の地域特性や歴史性を活かす」こと、「安全のための駅としての機能向上」を第一に考えたうえでのデザインになったという。

 さて、旧デザイン案と新デザイン案、街の人はどちらを支持するのか? もっとも大きな批判の的となっていた地下鉄・御堂筋線の「心斎橋駅」周辺で街頭アンケートを実施した。10代〜60代の男女・60人を対象に、新・旧を隠して好きな方を選んでもらった。

 票数の内訳は、旧デザイン派(A案)が16人、新デザイン派(B案)が44人。新デザイン派の支持が多い結果となった。ちなみに、今回のリニューアルを知っていたのは60人の4割ほどだった。

 新デザインに賛同した人々の意見として、「旧案は、色・柄が多く落ち着かない」(50代・女性)、「長年通っても飽きない気がする」(40代・男性)といった「落ち着いた雰囲気」を求める声や、「カラフルなデザインが好きな人もいると思うが、好みが分かれる」(20代・女性)など、公共性の高い空間ゆえに、シンプルさを評価する声、「シャンデリアが残って良かった」と、かつての意匠を踏襲したことへの安心感も見られた。

 一方で、旧デザインを支持する人たちも16人いた。幅広い世代で「明るい雰囲気が良い」と答え、新案に対して「地味すぎる」と話す人も。さらに新デザイン派のなかにも、「この柄は苦手だが、カラフルさに心斎橋らしさはある」と、街の特色を示していると一部評価する声もあった。

 SNS上では発表された新案に対して「前の気持ちわるさは無くなった代わりに何も提案できてない」「温かみのないデザインに見える」「踏襲はうれしいけど、開通当時のデザイン復刻がいちばんスタイリッシュかと」など、このデザインリニューアル自体を歓迎しない人も多くいた。

 声をかけた60人のうち、リニューアルを知らない人が6割ほどいたのと同時に、支持は積極的な選択ではなく、消去法で選んでいるようにも見えた。市民からの批判によりデザイン案を改めたものの、市民は「どちらにも、それほど賛同していない」のかもしれない。なにより、駅がリニューアルされることをもっと広く告知すべきではないだろうか。

 29日に発表された5駅(心斎橋駅、梅田駅、中津駅、堺筋本町駅、動物園前駅)のデザインは、新案で確定。設計段階で細部を調整しながら、2024年の完成を目指して着工への準備が進められる。未発表の10駅についても、市民と意見交換を続けながら2020年には公表する予定だという。

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