アメリカで日本の家計簿がプチ・ブレーク ときめく「kakebo」…コンマリブームに便乗か

谷口 輝世子 谷口 輝世子

「コンマリ」の愛称で知られる片付けコンサルタントの近藤麻理恵さん。著書が英訳されたり、ネットフリックスで番組が配信されたりしたことから、米国を中心に国際的な支持を得ています。

「コンマリメソッド」は手に取ったときに「ときめく」モノだけを残し、それ以外は思い切って捨てるというもの。米国人がコンマリメソッドに日本的な神秘性、精神性を感じているのが、人気の要因になっているようです。米国にも片付けや整理整頓のコンサルタントやハウツー本はありましたが、日本人の近藤さんが作り出したメソッドが新鮮だったのでしょう。

コンマリメソッドに感嘆した人たちは、お金の管理についても「日本のやり方を学べばうまくいくのでは!」とひらめいたようです。

今年の年明けに書店で「kakebo」(なぜかkakeiboではない)と書かれたワークブック形式の出版物を見かけました。私が見たのは、日本の家計簿の英語版で、中身はこんなふうになっていました。

毎月入ってくるお金と、必ず支払わなければいけない家賃、光熱費などを書き出します。そこから、自分が使えるお金はいくらかを計算し、いくら貯金したいのかを決めます。さきに貯金額を決めて、残りのお金だけでやりくりをするという一般的な方法です。

インターネットでは「日本のコンマリメソッドを活用した家計管理」というウェブサイトもあります。

コンマリメソッドを活用した家計管理法は次のような方法だと書いてあります。

手書きで書く。

月々の固定収入と決まった支出を書く。

貯蓄の目標額を書く。

支出は4項目にわけて書く

1、サバイバル項目

住居費(家賃やローン)、食費、日用品、医療費、交通費

2、オプショナル項目

必要ではないが、購入したもの。外食やぜいたく品の買い物

3、カルチャル 書籍、音楽、映画(そしてなぜか靴も)

4、エクストラ 予想外の出費、修理やプレゼントなど

 月の終わりに、自分はどれだけお金を持っているか、どれくらいお金を貯めたいのか。どれくらいお金を使っているのか。改善できるかを自分に問いかけるというものです。

コンマリメソッドを家計管理に応用したとしていますが、日本で話題になった『年収200万円からの貯金生活宣言』の著者、横山光昭さんが提唱する方法に似ているのではないでしょうか。横山氏のやり方は、出費を「消費」「浪費」「投資」の3つに分類に分けるようにすることで、お金の使い方の意識を変えていくというものです。

 米国人は日本人に比べてお金を貯めるのが苦手と言われています。しかし、これまでにも家計簿に似たものがなかったわけではありません。「ハウスホールド・バジェット」などという名前で書き込み式のものや、アプリもあります。これまでの米国式でうまくいかなかった、使い勝手が悪いと感じていた人が「kakebo」に乗り換えることで、お金を管理し、節約できるようになるのでしょうか。どちらも挫折している私には、少々疑問です。

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