神戸の映画館がブランケット貸し出しサービスを終了 劇場が公表しづらい理由とは

黒川 裕生 黒川 裕生

しかし、事情を知るある映画関係者は「それは表向きの理由。本当はブランケットの持ち帰りが多く、補充が追いつかないからではないか」と指摘する。その関係者によると、OSシネマズミント神戸が貸し出しを始めた当初は特に問題なく運用できていたが、ここ1、2年ほどは持ち帰りの被害がかなり深刻になっていたのだという。「劇場側も注意喚起をしながら推移を見守っていたようだが、想定以上の持ち帰りによるロスが続いたため、止むを得ずサービスの終了を決めたと聞いている」

伊川さんに再度確認すると、言葉を濁しながら明言は避け、「ブランケットは冬場よりも夏場の方が需要があります。そんな季節にお客さまにご不便をお掛けしてしまうことは本当に残念です」と肩を落とした。

近年は他の大手シネコンなどでも、クリーニング代や衛生面などを理由にブランケットの貸し出しを取りやめるところが出てきているようだ。一方、「ロビーに置いていたらあっという間になくなるという状況が続いていた」という神戸の老舗二番館「シネマ神戸」は、2年ほど前から1人ずつ手渡しで貸し出すようにしたところ、被害がなくなった。とはいえ、同館支配人の木谷明博さんは「うちよりもはるかに大勢が利用するシネコンでは、そこまで目が行き届かず、管理も大変だろう」と推し量る。

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