遠藤久美子、ママになった“エンクミ”が理想的サイクル「視野も心も大きく」

石井 隼人 石井 隼人
映画『こはく』に出演する遠藤久美子(撮影:石井隼人)
映画『こはく』に出演する遠藤久美子(撮影:石井隼人)

“エンクミ”の愛称で1990年代に一世を風靡した、女優の遠藤久美子。17歳の頃に出演したマクドナルドのCMをきっかけにブレイクし、当時はバラエティ番組にドラマに引っ張りだこ。歌手デビューもしている。「あの頃は毎日が一生懸命すぎて記憶にないことが多い」と多忙ぶりを振り返る遠藤は、人気絶頂期を過ぎた今現在こそが「自分の身の丈に合っているサイクル」としっくりきている。現在41歳。妻であり母であり、お腹には待望の第二子を宿す。ママになった“エンクミ”の今とは。

映画監督の横尾初喜と2016年に結婚。現在は2歳になる長男の子育て真っ最中。「息子は自宅からお目当てのパン屋さんに着くまで『メロンパンが食べた~い!』とずっと泣いていたりして『頑固だなぁ』と思う時もあるけれど、それに動じなくなった私もいる(笑)。その頑固ささえも愛おしい。これが母の強さなのか!と知りました」と新鮮な日々を過ごしている。

ほかの子供の様子にも自然と優しい気持ちになる。「街を歩いていても家族連れが目に入るし、ほかの子供が泣いていると『泣いちゃうよね~』とか『お母さん頑張って!』とか子供と母親、両方の目線に立てるというか。視野も心も大きくしてもらえた気がします。まさか私がそんな感情を得るなんて…不思議ですよね」と愛息子を通して人間としての成長も実感している。

自分が母親であることを自覚する瞬間は、愛息子から名前を呼ばれたとき。もちろん“エンクミ!”ではなく“ママ!”だ。「息子から『ママ!』と呼ばれると『私ママなんだ…』とハッとする。母親というものは、今日スケジュールが合わないから交代ね!とはいかない役割。この子にとって私は世界に一人しかいないママなんだと思うと、愛情と同時に親としての責任感も芽生えてくる」とすっかり母親の表情。

子供を大事にすることは、母親である自分自身を大事にすることでもある。「独身時代は朝までテレビを見たり、好きな時に好きなものを食べたりしていたけれど、母親になってからは生活のリズムも規則正しくなりました。息子が大学に行くまでは私も元気でいなければ!と思うので、自然と自分にも気を配るようになった」。すべては愛息子の成長を母親として見届けるため。

9月には新しい命も誕生予定。2歳の“お兄ちゃん”もその誕生を待ちわびている。「息子はオモチャで遊んでいると『赤ちゃん、待ってるよ~』と呼びかけてくれたり、私のお腹にチュッとしてくれたり。キッチンセットの玩具で遊ぶときは、お腹の赤ちゃんの分のお皿も用意して、オモチャのハンバーグを切り分けてくれます」と長男の優しさに目を細める。

意外なところで芸能界での活動歴が活きたりする。「YouTubeで私が歌っている映像を主人が面白がって見せたりすると、息子は『ママだ!もう一回見たい!』と反応する。私としては恥ずかしいけれど、主人は『過去の自分を子供に見せられるのは羨ましい』と言ってます」と照れつつも嬉しそうだ。

夫の横尾監督が自らの半生を映画化した『こはく』(公開中)では、自身をモデルにした広永友里恵役で出演。現在は女優業を続けつつも、主婦業・母親業の比重が多くなっている。「41歳になって主婦とお母さん業が大半を占めていて、時々仕事をするのが自分の身の丈に凄く合っているサイクルだと思います。母親として朝から夜まで奮闘中ですが、大きな怪我もなく無事に一日過ごせた夜に子供の寝顔を見たときが一番幸せ」。女優業も母親業も焦らずゆっくり、一つ一つを大切な思い出に。エンクミ第二の人生の滑り出しは上々だ。

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