早見あかり、不遇のジャックナイフ時代を変えたのは「一人暮らし」

石井 隼人 石井 隼人
女優・早見あかり
女優・早見あかり

 アイドルグループ・ももいろクローバー脱退から早8年。早見あかり(24)は、アイドル出身という経歴すら霞むほどに女優業を確立している。6月15日には結婚後初となる主演映画『女の機嫌の直し方』が公開。3年間在籍したグループを17歳で離れ、まったく違う畑の女優業に飛び込んだ。朝ドラにも出演し、脱アイドルを軽々とクリアしたのかと思いきや、周囲の大人を「全員敵!」と思い込んでいた不遇のジャックナイフ時代があった。

 2008年から2011年まで在籍したももクロでのポジションはサブリーダー。しかし活動していくうちに、アイドルの自分に対して違和感を抱くようになる。「アイドルとは常に可愛くてキラキラしているもの。その理想像に自分はどうしてもなれなかった。ほかのメンバーはそれがウソなくできていて、自分だけがアイドルを“演じている”という感覚。それってどうなの?という葛藤があった」と打ち明ける。

 グループ活動と並行してモデル業や女優業などアイドル業以外を経験していく中で、演技の仕事に魅力を感じるようになる。グループ活動から離れて、未知の領域に一人で挑む。怖さと心細さがあったのかと思いきや「すべては自分のやりようだと腹をくくりました。ポジティブ思考というか自由人。人が敷いたレールの上を歩くのではなく、自分の決めた道を自由に歩いて切り開いていく。その代わり失敗したらすべて自分の責任。そういう生き方が性に合っていた」。脱退当時17歳とは思えぬ一匹オオカミぶりだ。

 女優・早見あかりとして作品数を重ねるも、しばらくは「自分の演技プランと監督の演出プランが違うと、それに対応することができなくて…。頭で考えすぎて負のループに陥っていた時期もある」と気合の空回りを経験。成功したいが思うようにいかない。慣れない環境の中で一匹オオカミの皮をかぶり、神経をピリつかせていた。その影響は私生活にも表れてしまう。「当時は『周りの大人はみんな敵!』と思っていたし、友人からも『尖っている』と言われた」。早見いわく、現在の「すぐになつく子犬タイプ」とは180度違うジャックナイフぶりだ。

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