人生の終わりに備え、身の回りを整理する「終活」に取り組む人が増えています。とはいえ、必要と思っていても自分が元気なうちはつい、後回しにしがち。そんな中、紙芝居で終活の大切さを訴えている紙芝居師がいると聞き、取材しました。
紙芝居は「じいさん地獄へ行く」。ある日、一人のおじいさんが、スマホ運転の自転車とぶつかったところから始まります。助かった…と思ったら、そこは三途の川。鬼曰く、おじいさんは人工呼吸器で1年近く延命治療を受けており、治療費がかさんで家族は困っているとのことでした。
閻魔大王の前に引き出されて審判を受けるおじいさん。「遺言書は」と聞かれ「書いてある」と言いますが、入れているのは銀行の貸金庫。相続人全員の承認がないと開けられず、子どもの一人は遠方に暮らしているため承認が得られません。パソコンのパスワードも分からず、部屋はカメラや写真など趣味のものが詰め込まれたまま。
押し入れには使わなくなった手彫りの机や壊れた家電が詰め込まれ、一見片付いているようですが、のこされた子どもたちには何が必要か全くわかりません。閻魔様が、「何をどうするか子どもと話し合ったか?断捨離してきたか?」とおじいさんを問い詰める中、米・カルフォルニアから娘が戻ってきて尊厳死について語り始め…と、なかなにリアルで、現代の事情も盛り込んだ内容です。