紙芝居で「終活」指南? 閻魔大王の裁きがリアル過ぎる

広畑 千春 広畑 千春

 制作したのは、大阪市の紙芝居師、藤井一さん(63)。アパレルメーカーを53歳で退職した後、声の良さを見込まれナレーターに。その後、街頭紙芝居の世界に引かれて講座に通い詰め、2016年1月から「菅原春秋堂」として活動し始めました。

 「要点を分かりやすく簡潔に伝える紙芝居は、実はパワーポイントと同じプレゼンツール。語りと合わせれば、その表現はもっともっと広がっていく」と藤井さん。古典的な子ども向け作品だけでなく、環境などSDGs(持続可能な開発目標)をテーマにした作品や大人向けの作品も手掛け、各地で講演やワークショップを開くほか、表現力や「伝えたいことを効果的に伝える」伝達法を指南したりしています。

 今回の終活紙芝居もその一環で、知人の生前整理業者から苦労話を聞き、リアルさにこだわって作り上げました。「知人曰く、写真(アルバム)が一番処理に困る物で、押し入れの8割はいらない物だそうです」と藤井さん。「このおじいさんのように、元気だと思っても突然事故に遭うかもしれない。紙芝居をきっかけに、親子で話し合うだけでもコミュニケーションになるんですよ」と話します。

 「終活」には早いと思っている方も、とりあえず押し入れの中を見直してみませんか? 私も…逃げずに向き合うようにします…。

菅原春秋堂https://www.fujii-1.com/

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