障碍者の就労支援で生まれた人気のラーメン店 神戸の「まいにちラーメン」

黒川 裕生 黒川 裕生

 神戸の中央卸売市場近くに、知る人ぞ知るラーメン店がある。その名も「まいにちラーメン」。一見ごく普通の店だが、店内には「当店は知的障碍者・精神障碍者の雇用促進、自立を目指して運営しております」「一生懸命頑張りますのでお客様のご理解とご了承のほどお願い申し上げます」と書かれた貼り紙がある。連日多くの人でにぎわうこの人気店、一体どんな店なのか。

 6月下旬のある日。午前11時半にオープンすると、ものの数分でカウンター8席が埋まり、4人掛けのテーブル席もすぐいっぱいになった。この店の特長は、ラーメン1杯350円という驚きの安さと、麺の上にのった大盛りの野菜。さらにごはんは無料(なくなり次第終了)とあって、ランチのみの営業ながら、1日30~50杯を売り上げている。

 「いらっしゃいませ」。各席を回って注文を取るのは、25歳からここで働く29歳の男性だ。厨房で調理を担当するのは、19歳の女性。2人とも知的障碍があり、療育手帳を所持している。

 店は就労継続支援B型事業所を運営する一般社団法人「プリウス」(神戸市兵庫区)が管理している。利用者の自立、雇用促進につなげようと、プリウスの母体であるドッグフード販売の「株式会社スパット」(同)の代表竹内良直さんの発案で2016年7月に開業。働く2人もプリウスの利用者で、毎日、支援員の手を借りながら店を切り盛りしている。

 竹内さんによると、味にも随所にこだわりが。「豚肉を野菜と煮たスープと豚骨スープの合わせスープに博多細麺。それから、たっぷりのチャーシューが自慢です」。店名の由来については「少し高カロリーですが、チャーシューと野菜をたっぷり入れているので毎日食べても栄養バランスが取れるよう、健康に配慮しています。スープも少し低塩にしてあるんですよ」と明かす。

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