障碍者の就労支援で生まれた人気のラーメン店 神戸の「まいにちラーメン」

黒川 裕生 黒川 裕生

 店に込めた思いについては、こう語った。

 「あくまでも事業目的は障碍者の自立です。仕事を持ち、お金を稼ぐことを通じて、『自分の力で生きている、社会に貢献している』といった自負心を持つことの心地よさを知ってもらいたいと思っています」

 「接客や調理に至らないことも多々ありますが、根気よく支援することで、少しずつでも一般就労へステップアップする道筋が見えてきます。この取り組みを理解して来店してくださるお客さまには、本当に感謝しています」

 「就労支援で障碍者が切り盛りするラーメン店は珍しいかもしれませんが、利用者それぞれの個性に沿った支援のひとつです。これからもいろんなことに挑戦して、それが誰かの特性に当てはまってくれればいいと考えています」

 店で働く2人にも話を聞いた。特別支援学校を卒業後、1年前からここで働いているという女性は「初めは難しかったけど、いろいろ覚えずいぶん慣れてきました。忙しくて3人では手が回らないこともあるけど、社会の一員として働けていることにやりがいを感じます」。男性も「お客さんから、ありがとう、おいしかったよ、と言われると嬉しい。ここで働くうちに、体力がついてあまり疲れなくなりました」と胸を張る。

 2年前、すぐ近くにショッピングモールができたため、最近は少し客が減ってしまったという。それでも竹内さんは「これからも障碍者自らの手で、ご満足いただけるラーメンを作り続けます」と力を込める。

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