では実際、忍者は「手裏剣」を使わず何を使っていたのか?山田教授にこの件をインタビューすると「手裏剣自体は16世紀はじめには存在していたことが確認できますが、忍者が使ったという史料は見たことがありません。武士たちが武芸の一つとして手裏剣を打つ練習を行っていたようです。物を投げるとしたら、石を投げる方がよっぽど強力で、持ち歩く必要もないですしね。忍者は戦闘員のイメージが映画等で強いですが、実は積極的な戦いも好まなかったのです。あくまで防備がメインでした」と語った。
フィクションの世界にすっかり洗脳?されている私たちは、実在した忍者たちのことを実は知らないのかもしれない。山田教授監修の書籍『そろそろ本当の忍者の話をしよう』には、戦国時代を生き抜いた忍者、江戸時代に藩の財政難にリストラされた忍者、古文書から知る忍者の行動記録など、多くの忍者の真実が掲載されている。実際の忍者は、人を殺したりせず、未然に争いを避けるための諜報活動がメインだったことが、この1冊からは見えてくる。
2020年東京オリンピックを前に、今一度、NINJAを勉強しておくのも必要かもしれない。
◆書籍『そろそろ本当の忍者の話をしよう』(発行元/ギャンビット 監修/山田雄司 1500円+税)はAmazonで8月25日発売。