板垣さんはその後、訓練校でCADを学び、2016年から同法人の理事長を務めます。自治体や企業のホームページなどで留意すべき約250項目のJIS規格が守られているかどうかチェックするとともに、ユーザー評価も実施。神戸市では、パソコン入力やマウス動作が苦手な高齢者や障害者がワード検索をしやすくするよう、ホームページの検索窓を画面中央に配置する改良などに携わりました。
さらに2015年から毎年1回、日本マイクロソフトなどのメーカーが最新機器を展示する「アクセシビリティの祭典」を神戸で開催。去年からは開発者と当事者による対談も始まりました。会話を文字で表示してくれる「見える電話」に、「見えた」ものを音声で伝えるカメラ、視線を認識して入力できるソフトなど、夢のような技術が、現実になっている今だからこそ。板垣さんは「当事者も開発者も、お年寄りも子どもも健常の人も、みんなが使いやすいものを、あったらいいな、というものを発信していきたい」と力を込めました。