片手が不自由な人がもう片方の手の袖口のボタンをとめるための道具がSNS上で大きな注目を集めている。
「一般の方にも知って頂きたい事。障がい等で片手が使えない場合、動き易い手側の袖のボタンがとめれません。これが理由で仕事でシャツを着るのを諦めた当事者さんも多くおられます。そこで作業療法士の友人が片手でできる道具を考えました。試作段階で無骨ですが、必要な方に届いて欲しいです。」
とこの道具を紹介したのは大阪府立大学教授で作業療法士の竹林崇さん(@takshi_77)。
片手が不自由だと健常者には思いもよらないほど動作が制限されるが、袖口のボタンとめもその代表的なもの。この画期的な道具の発表に、SNSユーザー達からは
「す、素晴らしい!!!!効く手では持てるようにツーウェイだったら、さらに助かる人続出かも。吸盤タイプのスマホホルダーをヒントに角度を変えられると、汎用性が広がりそう。」
「まさに障害で片手しか使えず、この問題に十数年悩まされております。今は毎朝、嫁に留めてもらってますが、わざわざ留めてもらうのも手間なので、すごく画期的な発明だと思います。ただ、一つ、これは外すことも可能でしょうか?」
「これ良いですね!何で気づかなかったんだろ…介護施設ですが入浴介助の際、片麻痺のために『本当はご自分でなさりたいんですよね』『ご家族さんにこーゆーのじゃないシャツ頼みますね』と脱着介助。
好きなデザインだから着たいのに…。フロアや居室でゆっくりでも自分で付ければ自信になる!」
など数々の驚きと感謝の声が寄せられている。
竹林さんにお話を聞いた。
ーーご投稿に対しさまざまな反響が寄せられております。 これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
竹林:こういった道具に興味をいただくことを通して、健康な方々が全く気にしない普通の日常が困難で過ごせない方がおられること、さらには片手に障がい等を持たれた方の具体的な生活に想いを馳せていただけることに大変ありがたく感じています。これらの道具を通して、少しでも当事者の方々や、そういった方々に必要なリハビリテーション(作業療法)の存在について理解を深めていただけると大変うれしく感じます。
ーー片手が不自由な方が困る日常的な動作には他にどのようなものがあるでしょうか?
竹林:瓶・ペットボトルの蓋をあける際に瓶を固定する、薬の封をあける、長髪の方が髪の毛を結う、 書字の最中に紙が動かないように支える、食事の際にお椀を動かぬように支える等、言い始めると多岐に渡ります。生活における両手動作全般(片手で支え、固定し、もう片手で操作するような活動)において、みなさま個人差あれど不自由さを感じてらっしゃいます。
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何人あのSNSユーザーから質問のあった、とめたボタンを外す方法についても現在ある程度確立しており、精度を上げるために鋭意検討中とのこと。今回紹介した道具は近く、制作した竹林さんの友人、川口晋平さん(@Shinpei_31)のBASEのウェブショップで販売予定。他にも片手で様々な動作ができるさまざまな道具が販売されているので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
なお今回の話題を提供してくれた竹林さんは脳卒中後の手に生じる麻痺を改善するための治療法を開発中。その方法はロボットを使うもの、電気刺激を使うものなどさまざまということだが、脳卒中後にお困りの方々にぜひ大阪府立大学の竹林さんのページや各種SNSから情報をチェックしていただきたい。
竹林崇さん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/takshi_77
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@takshi_77
大阪府立大学HP:http://kyoindb.osakafu-u.ac.jp/html/110324_ja.html
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川口晋平さん関連情報
BASE:https://isotope.thebase.in
Twitterアカウント:https://twitter.com/Shinpei_31