親同士の「代理婚活」の次は…「親子婚活」 参加した母親の思い

広畑 千春 広畑 千春
次なるは、親子で婚活?(良縁親の会提供)
次なるは、親子で婚活?(良縁親の会提供)

 南海キャンディーズの山里亮太さん(42)と女優の蒼井優さん(33)の結婚のニュースが日本中を駆け巡り、蒼井さんのご両親への山里さんのあいさつも「素敵すぎる」と話題を呼んでいます。そんな中、独身の子どもの代わりに親同士がお見合いをする「代理婚活」の上を行く、独身の子どもとその親が一緒に参加する「親子婚活」という形が登場しています。なぜ、「親子」という形を選んだのか、参加した母親に取材しました。

 京都市の一般社団法人「良縁親の会」が主催する「芳縁の会」は、親と子によるお見合いの会として、2017年3月に神奈川県で初めて開かれました。対象は男性40歳以上、女性38歳以上の本人とその親。同法人の脇坂友彦さんによると、同法人は2005年から親同士による代理婚活を手掛けてきましたが、参加者から「ご本人と直接会いたい」「お相手がどんな方か分かった方が、話が早く進む」などの声が上がっていたそうです。以来、全国各地で開かれ、2018年末までに本人138人を含む計760人が参加しました。

 関西地方に住む女性(77)は、鉄道関係の会社で働く息子(49)のお相手を探しています。息子は中学高校と男子校に通い、女子の少ない理系の大学を卒業し、さらに職場も男性が大半を占める「男社会」。勤務は早朝、深夜に及ぶこともあります。もともと恥ずかしがりな性格だったこともあり、「出会いがないまま、いつの間にかこんな年になってしまった」そうです。

 息子本人も40歳を過ぎたころから、「やっぱり頑張ってみたい」と婚活を始めたものの、仕事も忙しくて時間が取れないことから、「代理婚活」を知った女性が代わりに参加するように。「ただ、親同士が気に入っても、いざ本人同士で会ってみると、なかなかフィーリングが合わない、ということもあるようで…」と女性。親はその気でも、当の娘には結婚願望がなく、お付き合いをしたけれど実を結ばなかった―ということもあったそうです。

 こうしたことから、女性は「芳縁の会」に参加するように。息子は仕事上の責任も重くなり、多忙で参加できていませんが、「親御さんだけでなく、お嬢様も一緒にお会いできればお話もしやすく、お嬢様の反応や、ご家族の価値観なども分かります。何より安心ですよね」と話します。

 娘と参加している別の女性も、「最初は本人も戸惑っていたけれど、最終的に会うのなら最初に会うのも一緒かも―というので、一緒に参加するようになりました。本人が気に入るのが一番だし、それ以外に進められないですもんね」と話します。

 確かに結婚するまでや、結婚してから起きるトラブルには、嫁姑問題を始め、双方の実家との間に起きるものが少なくありません。「結婚というと、男性なら心臓バクバクの『お父様へのごあいさつ』に始まり、家族とのやり取りがいろいろとあり、そこで疲れてしまう人もいます」と脇坂さん。「そのハードルをできるだけ低くし、一組でも多く、心の通い合った家族をつくるお手伝いができたら」と力を込めます。

 なんだかんだ、全く違う人生を歩んできた相手と一緒に暮らすのは、かなりの挑戦で覚悟も必要です。20代の「情熱」「勢い」の代わりに、親御さんの思いや、そこから得られる穏やかな安心感が、高いハードルを飛び越えるカギになるのかもしれません。

 次回の芳縁の会は7月7日、神戸市の生田神社会館で。参加申込書は28日必着。良縁親の会075-241-0080

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