飼育員が監修で超リアル! 「海遊館」の3変化ペンギンぬいぐるみを実物と比較、解説してもらった

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「卵→ヒナ→成鳥」と3つに変化する、オウサマペンギンのぬいぐるみがSNSで話題となっている(制作者のツイートは4万3千リツイート、11万いいね)。手がけたのは、大阪の水族館「海遊館」(大阪市港区)。ひとつのぬいぐるみが形を変えて育っていくという仕様はもちろん、飼育員目線でとことんこだわったという細部を、実物のオウサマペンギンと比べながら教えてもらった。

「もっと身近にペンギンを知ってもらいたい」と、神戸の雑貨ブランド「YOU+MORE!」とのコラボで誕生したこのぬいぐるみ。ファスナーを開いてクルッとひっくりかえすと、卵からヒナへ、もう一度ひっくり返すと成鳥になる驚きの仕様で、「すごい、やってみたい!」「3変化は男の夢」など幅広い世代にヒット。現在は1人2個までという制限付きで販売されているが、特筆すべきはその3変化だけでなく、デザインの細かさにもある。

 3変化のうちの「卵」は、本物のオウサマペンギンのたまごを制作チームに実際に見てもらい、実物とほぼ同じ大きさで再現。「オウサマペンギンは巣を持たず足の上で卵を温めるので、転がらないように先端が細い『洋ナシ型』になっているんです」(ペンギン担当の小林さん)。ふわふわの羽毛が生えた「ヒナ」は親より大きく見えることもあり、その堂々としたプロポーションや羽の厚み、質感など何度も試作を重ねたそうだ。

「体型はエンペラーペンギンに似ているんですけど、オウサマペンギンならではの部分を積極的に採り入れました。アシが長めだったり、翼の内側も個体差はあるんですけど、真っ白じゃなくて模様が入っていたり、翼の付き方が上下でなく前後だったり・・・。くちばしもヒナと成鳥では全然違うので、見比べてみてください!」と、こだわりポイントの解説に熱が入る小林さん。

 さらに「よく見ないとわからないんですが、ヒナの目の後ろに小さな点が刺繍で描かれてるんですけど、これ、耳なんです」。一方、ヒナをひっくりかえして成鳥を見てみると、刺繍ではなく、ほんの小さなへこみを発見。「ヒナと成鳥では耳も違います。成鳥はほとんどわからないくらいなんですが」(小林さん)。「(誰が気づくねん・・・!)」と心のなかでつぶやきながらも、ヒナと成鳥で耳の表現方法を変える、その細かさとマジメさに脱帽。

 ちなみに翼の付け根についているタグは、「海遊館」で生まれた証として、実際にペンギンに付けている識別タグ。姿がそっくりなペンギンたちの個体を見分けるためのもので、色ごとに対応する番号を設けて識別しているそう。 ぬいぐるみは、左にタグがついているのがオスで、番号は海遊館の開業日(0720)、右にタグがついてるメスの番号は、海遊館でオウサマペンギンが初めて生まれた日(0815)なんだとか・・・。芸が細かい!

「ぬいぐるみってデフォルメがかわいいんですけど、飼育員が関わるなら細かいところまでこだわろうと。本物にどれだけ近づけられるかを意識したので、あまりかわいくないって言われます(笑)。でも、『このぬいぐるみをきっかけにペンギンの特徴を知ることができた』という意見を聞いて、商品を作った意味があったなと思いましたね。これからも、生きものの関心に繋がるようなグッズが出せたらいいなと思います」(小林さん)。

「オウサマペンギン3変化ぬいぐるみ」(2808円)は子どもから大人まで幅広く人気で、多い日は1日170個売れることも。また、フェリシモWEBサイトでも購入可能だ(識別タグが付いてないので、野生バージョンとなる・・・!)。

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