さて、会場内には長机が並べられ、その上にケージが置かれています。それぞれの猫の前には、猫の名前と年齢、性別、保護された経緯、手術済かどうかなどの情報を書き込んだ紙が掲示されています。
例えば、「多頭崩壊した家から引き取りました」「初めは人見知りをしますが、慣れればよい子になります」といった感じ。ケージの横には必ずその猫の保護者がいますので、普段の様子を聞いてみたり、抱かせてもらったりもできます。
この子だ!という猫が見つかったら、「エントリーシート」に記入してその場で簡単な面談を受けます。シートには家族構成や家族の同意の有無のほか、アレルギーなどの確認、家を長期間空ける場合に世話を頼める人がいるかどうか、家が戸建てかマンションか、などの細かい質問が並んでいます。さらに、ペットの飼育経験を訊ねる項目、ウイルス検査や不妊・去勢手術などの意思確認、お試し期間中の注意事項などもあります。
面談の様子を隣で見せてもらいました。
里親希望のある女性は、「脱走防止対策」に不安があるようです。「脱走した猫は、大体どこかに隠れています。私たちにすぐ連絡してくれれば、必ず探しに行きます」「保護猫は外で生きていくことができません。脱走イコール死だと思って注意してください」。松井さんたちの言葉に、女性は真剣な表情で頷いていました。
松井さんは「面談で言葉を交わしたり、お試し期間で実際にお宅を見せてもらったりすると、その人が猫を大切にできるかどうかは大体わかります」とほほ笑みます。
全ては保護猫の幸せのために。活動の趣旨に賛同できる人は、お近くの譲渡会を一度覗いてみてください。