「ただただかわいい」 悩み多き保護猫活動の日々を癒やす子猫たち

黒川 裕生 黒川 裕生

 殺処分ゼロを目指し、猫の保護と譲渡会に取り組んでいる神戸のボランティア団体「猫のミーナ」。代表の松井美枝さん宅にはいつも、市の動物管理センターから引き取った数匹~十数匹の保護猫がいます。猫の保護活動は、猫が好きだという思いだけでは務まらない大変な仕事。なかなか人に懐かない猫、生まれつき疾患や障害を抱える猫もたくさんいるからです。

 そんな気苦労の絶えない松井さん宅には今、愛らしい子猫が7匹います。生後2カ月の1匹は、多頭飼育崩壊した高齢男性の家から救出されました。当初は自力で立てないほど衰弱していましたが、松井さんが付きっきりで世話をしたおかげで、今ではすっかり元気になり、松井さんや家族に愛嬌を振りまいています。

 残り6匹は、3匹ずつのきょうだいです。生後2週間の雌3匹は、まだ鳴き声も弱々しく、身を寄せ合ってすやすやと眠る姿に、松井さんの目尻は下がりっぱなしです。

 他の3匹は、黒と白のきょうだい。目の青い白猫が雄で、残り2匹が雌です。こちらは生後数か月ほど。ちょっとやんちゃで、ケージに入れると「出して、出して」とおねだりします。ケージから出ると、ソファと壁の隙間にある暗がりに潜り込んだり、ソファをよじ登ろうとして爪が引っかかって動けなくなったり。そんな3匹を見つめる松井さんの目尻は、やはり下がりっぱなしです。

 「手放す日がいつか来るのですが、今はもうほんと、ただただかわいいですね」と話す松井さん。急増している多頭飼育崩壊の相談や、月2回の譲渡会の運営、さまざまな事情を抱える保護猫の世話などで、普段は気が休まる暇もありません。それでも、この子猫たちと触れ合うときだけは、そんな苦労も吹き飛ぶのだそうです。

 次回の譲渡会は5月25日午後2時から、神戸・旧居留地の高砂ビル(神戸市中央区江戸町100番)で。猫の面倒を最後まで見られるよう、引き取るのは30~40代の人が望ましいそうです。

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