ロシア総領事館がまさかのクラブ化! 「おそらく日本初」謎の企画の首謀者に聞く

黒川 裕生 黒川 裕生
「Clubソビエト」を企画した古池麻衣子さん(右)と安井麻人さん=フォノテークにて
「Clubソビエト」を企画した古池麻衣子さん(右)と安井麻人さん=フォノテークにて

 実は古池さんは当初、これまでと同じようなクラシック音楽のコンサートを開くつもりだった。ところが打ち合わせで、担当者のヴェロニカ・カザントセヴァさんから「そういうのは何回もやった」「違うのがいい」「もう少しエンタメ色を強めて」などと思わぬ要望が。カザントセヴァさんは「日本人のロシア文化に対するイメージは、大半がチャイコフスキーなどのクラシック音楽やバレエ。それらももちろん素晴らしいが、そろそろ違う魅力も知ってほしいという思いがあった」と笑う。

 そこで古池さんは、イベントの相談に乗ってくれていた安井さんら同志と協議して、旧共産圏の電子音楽をテーマにすることを提案。かなりの好感触が得られたため、テーマは「ソビエト(旧ソ連)」、イベントの形式はクラブ仕様のパーティーに決まった。「外国の総領事館がクラブになるのは、おそらく日本初」と古池さんたちは胸を張る。

 イベントに向け、古池さんは「関西ソビエト文化サロン実行委員会」を結成。古池さん、安井さんのほか、著書「共産テクノ」などで知られる音楽発掘家の四方宏明さん(神戸在住)、最初に古池さんを総領事館につないでくれたロシア出身のアントン・ミルチャさん(大阪在住)も加わり、4人で準備に取り掛かった。

 「企画した当初は、何人来てくれるか全然わからなかった。人数が集まらなかったら友人たちに声を掛けまくるしかないと思っていた」。古池さんと安井さんはそう言って笑う。

 だが蓋を開けてみれば、冒頭で書いた通りの大反響。あっという間に定員が埋まり、(実は開催を楽しみにしていたらしい)実行委の友人たちはほとんど参加できないという事態になってしまった。「申し込みがこんなに殺到するなんて」と古池さんは嬉しい悲鳴。「今後も続けられるよう、まずは初回を成功させたい」と意気込んでいる。

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