世の中止まらぬキャッシュレス化の流れですが、丸いカプセル入りのおもちゃが出てくるカプセルトイ自販機(いわゆるガチャガチャ)もキャッシュレスになったとSNSなどで話題になっています。目当ての商品が出るまで、小銭を抱えてハンドルを回し続けたのは昭和・平成の思い出。Suicaなどの交通系電子マネーを「ピッ」とかざすだけで、両替いらず。思う存分グルグル回せるようになりました。しかし、これは「大人買い」のハードルがぐぐっと下げられた予感。便利になるのはいいけれど、ちょっぴり怖い…と感じるのは私だけでしょうか…。
バンダイが開発した「スマートガシャポン」。4月からJR池袋駅で本格稼働しており、6月末までに50セットを首都圏各地で稼働させるなど、順次設置場所を拡大していく予定だそうです。
新しい自販機は、これまでのようなカプセルトイ自販機5台分と、ディスプレイのついた交通系電子マネーの読み取り機械を組み合わせたようなかたち。購入するには、(1)操作用タッチパネルで購入したい商品を選び、(2)Suicaなどの交通系電子マネーを読み取り機にかざした後、(3)購入したい商品の入った自販機のハンドルを回して商品を取り出す…という流れ。
Twitterなどでは、便利になったとことを喜ぶ投稿がある一方、「今小銭がない、という言い訳ができなくなった」「ホントに使いすぎしそうだねえ」「おのれバンダイ、散財しやすくしおって」という声も見られます。そんな世の中の懸念について、開発した会社としてはどう考えているのでしょうか。バンダイの担当者に聞きました。
―なぜガチャガチャをキャッシュレスにしようとしたのでしょう。
「国内でキャッシュレス決済のニーズが増えているので、それに応えるためです。運営面からはキャッシュレスにすることで集金作業の負担を減らせるというのもあります。また、新たな機能・サービスを提供できるようになることで、設置先を拡大できると開発しました。池袋では駅の中でも人通りが多い改札付近に置いていますが、交通系の電子マネーに対応したから設置できたという背景もあります」
―ちなみに、キャッシュレスのガチャガチャはどれくらい珍しいのでしょう。もしかして、世界初とか?
「いえいえ。カプセルトイはアジア圏、特に香港や台湾、最近では中国でも人気なのですが、それらの地域ではキャッシュレス文化のため、海外のほうが進んでいます。日本はようやく本格導入というところですね」