―どれくらい利用されているのでしょう。
「通常の平均的なカプセルトイ自販機に比べて5〜6倍の販売額となっており、非常に好調です。想定以上に駅という設置場所と電子マネー自販機の相性は良いと感じています」
―しかし、ガチャガチャは当たりが出るまで回すことが多いですが、キャッシュレスになって小銭を用意する手間が省ける分、大人買いをしてしまいそうな気がします。
「おっしゃる通り、電子マネーで「ピッ」と購入できるため、その都度コインを連続投入する必要がある通常の自販機に比べると、1回1回の購入のハードルが低いですよね。連続購入されるお客様が比較的多いようです」
―そのことで「もう、いっぱい買っちゃったじゃない!」とか、クレームを受けることはありませんか…。
「お客様からそのようなご意見は特にいただいていません。私自信、お客様が購入される様子を拝見していますが、多く買った方もみなさん前向きというか、後悔されているような雰囲気の方はいらっしゃいませんでした。キャッシュレスになることで、購入すること自体の心理的負担も軽くできているのはないかと思います」
―楽しく買えているのであれば…よかったですね。ちなみに、キャッシュレス自販機だからこそよく売れているものはありますか。
「駅構内に配置していることもあり、大人向けの『ハイ・ターゲット』な商品が良く売れる傾向にあります。キャッシュレス販売機だからこそ『これが売れる!』という商品は今のところありませんが、500円の高額商品でも、通常より連続購入が多いためか、良く売れています」
―具体的にどんな商品でしょうか。
「最近はカプセルトイといいながら、カプセルを使わない商品も出てきています。容器がない分、サイズを大きくできますね。たとえば『だんごむし』のアイテムでは、身体が丸まった状態で出てくるようにすることで、驚きのサイズ感を実現しています」
―そのほか、今回の自販機の特色があれば教えてください。
「ネットワークでつながり在庫がわかる機能があります。以前からお客様に『商品が欲しいけど、どこで売っているか分からない』というご意見をいただいておりましたので、商品の販売状況をお知らせする機能を長年模索していました。また、モニターを搭載しているため、通常自販機ではできないような、映像による演出やゲーム性を持たせることが可能です。テスト展開時はその面で抽選映像を流し、当たりが出たらもう一回カプセルがもらえる、という機能を盛り込みました。今後も、モニターでエンターテインメント体験を提供することで、商品を買う行為にプラスαの楽しみを付加したいと考え、企画を詰めています」
―ちなみに、キャッシュレスとはいっても、最後はハンドルを回す操作が残っているんですよね…。
「『ガシャっと回してポンと出る』が『ガシャポン』のコンセプトですので、開発初期から一貫して、ハンドルを回す操作は残す仕様で考えてきました」
―よかった! ガチャガチャの『醍醐味』は、進化しても変わりませんね!