ぺったんこの甲羅に、にゅんと伸びた細長い首と小さい頭、小さなかわいい目…のある土鍋です。そんな制作中の鍋の写真を、福岡県の若手陶芸家がツイッターに投稿しました。さあ、何の鍋でしょう? 答えは、もちろん「すっぽん鍋用」。「これじゃかわいくて食べられなくなる」「笑ってしまう」と話題になりました。今日は「世界亀の日(World Turtle Day)です。
陶芸家は、福岡県の川原直樹(@Karesansui_CW)さん(25)。実は3月にパンパンの体から水をブシャアと吐く「水を吐くフグ」の写真から着想し、「お茶を吐くフグ」の急須を完成させた作家さんです。お話を聞いてみました。
―次々に面白い作品が登場しますね。
「今回は、昔からつながりのある料亭からの依頼なんです。同じようなデザインの鍋自体はあって、『こんな感じで』と言われて。せっかくならオリジナル感を出したくて図鑑や実物を見て、本物っぽいんだけど可愛い、という形を追求しました」
―表情が、なんともいえず、惹かれます。鍋の側面にチョコンとついた手も…
「首が持ち手になるんですが、長い方が本物らしいな、と。塊だと破裂しそうで怖いので空洞にしてあります。よく威嚇のためか口を開けている写真を見るので、そんな感じで作りました。手も用途的に必要はないですが、あった方がかわいいよな、と。お客さんに喜んでもらえて、ネタにしてくれたらうれしいです」
ちなみに、前作のお茶を吐くフグは、今月中旬に完成し、インターネットサイト「minne(ミンネ)」で販売が始まりました。予約注文ですが、テレビ番組でも紹介され、なかなかのインパクトを誇っています。スッポンの方はクライアントから更に大きさ違いの鍋の注文も舞い込んだため、一般向けの商品化は未定とのことです。