パンパンに膨らんだ丸い体から「ブシャアア」と勢いよく水を吐き出すフグ。2019年春、共同通信記者が撮影した一枚の写真が、東京新聞のツイートで拡散し、フリー素材サイト「いらすとや」のイラストやネタ動画になるなどSNSをざわつかせました。あれから1年半、「あの日見た水を吐くフグが忘れられなくて」という陶人形作家が、「フグを抱えた猫徳利」の動画を公開しました。「きっと美味しいにゃん」「ヒレ酒?」などと、飲む前から作品の完成度に酔いしれる猫党が続出。これは欲しいニャン!
「あの日見た水を吐くフグが忘れられなくて、ずっと作りたいと思っていたんです」と白亜器hakuaki(@hakua_ki)さんが公開した動画に注目です。にらみを利かせた猫が小脇にかかえているのはまん丸のフグ。徳利を傾けると、フグの口からいい塩梅で湯呑に注がれる日本酒(?)。卓上に置くと場がほっこりすること間違いなしの逸品で、動画は90万回以上表示されています。
「ひと目見たときにこれを猫徳利でやりたい、と」
「再現度がすごい!」「すごく欲しい!!」と評判の猫徳利を制作した白亜器さんに聞きました。
ー水を吐くフグが忘れられず…
「水を吐くフグが出てきたのが2019年だったと思うのですが、その前年くらいにわたしの猫徳利もTwitter上でちょっとバズって、たくさん制作してた時期でした。ひと目見たときにこれを猫徳利でやりたい!と思ったのですが、未熟な自分の技術ではうまく表現できなくて、一旦記憶の片隅に置いていましたが、個展を機に今ならできるのでは挑戦しました」
ー動画でフグの再現度にびっくりしました
「注器なので水切れの良さなどを確認するためのテストとして、水を注いだときの動画です。作りが悪いと注いだ時にヨダレみたいに本体を汚してしまうので形状は試行錯誤しました。本当は卓上に置いた状態でも水が出てくるようにしたかったのですが、今回の作品はうまくいかなかったので、次回は改良したいと思います」
ー猫の面構えも味わい深いです
「ありがとうございます。猫とフグ、どちらも真剣な表情なので、より面白みが増したと思います」
ー猫の作風は
「個展でお世話になっている王冠印雑貨店というお店から猫のものをとお願いされたのがきっかけです。もともと猫の形の箸置きやつるし猫という置物を作ってはいたのですが、あくまで猫のフォルムを器のデザインに取り入れたものでした。王冠印雑貨店で年2回やっている「ねこまつり」に参加するうちに、猫に振り切った今の作風になりました。器は展示が終わって誰かの手に渡ったあとはもう会えなくなってしまうので、その前に皆さんに楽しんで見てもらうことができ、うれしいです」
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