兵庫県内では尼崎、西宮、伊丹市を対象にした「阪神版」もあったが、昨年で休刊に。ランチと夜の「ちょい飲み」を合わせた「尼崎グルメ手帖」は今年7月まで、「ちょい飲み手帖」や「飲み会手帖」の発行は続けるという。ランパス神戸版は最終号とあって、神戸版の売り上げは通常の2~3倍になっているという。
そもそも、ランチパスポートは2011年に高知市の出版社「ほっとこうち」が始めた。掲載店は広告料を取らない画期的な手法を採用。読者、掲載店、書店、出版社の「四方良し」のビジネスモデルとして地域経済の活性化にも貢献し、メディアにも続々と取り上げられ、全国に広がった。同社によると、2016年ごろにはエリア数が100を超え、2017年6月には42都道府県に広がった。
だが、「戦後最長の景気拡大」とは対照的にサラリーマンらの懐事情は厳しいまま。原材料費や人件費は値上がりが続く一方で、中食や宅配サービスとの競争など外食業界が置かれた状況は厳しさを増す。店側が「500円」のメニューに対応できなくなったり、都心ではお客が増え過ぎて対応できなくなったりする課題も生じ、今も継続発行するのは20エリアに。同社では現在、次の事業展開を模索しているという。
にしても、赴任する先々でその地域のランチ探しを生きがいにしてきた記者には、休刊は悲しい限り。ああ、世知辛い世の中ですね…。