「イイ女が続々殺される!!絶対見てくれ!!」 自由すぎる手描き映画看板の世界

黒川 裕生 黒川 裕生

 「ほんまにこんなん書いてもええんかなあと思うこともあります。例えば、今度設置する『コントロール 洗脳殺人』の惹句は『引越したら、無性に人殺したくなっちゃった(ハート)』なんですよ…」

 看板のド派手な雰囲気とは裏腹に、八条さんご本人はいたって穏やかな紳士。作品が毎週3本ずつ入れ替わるため、盆も正月も関係ない生活だが、「父から受け継いだ映画看板の灯を消さないように」という熱い思いを胸に、今日も絵筆を握る。

     ◇     ◇

 今でも週替わりで手描きの看板を掲げている新世界国際劇場は、全国でもかなり珍しい存在だ。このご時世、なぜ手描き看板を貫くのか。担当者に聞いた。

 「やっぱりウチといえば手描き看板、手描き看板といえばウチですから。『デイリーといえば阪神』と同じ。それに手描きはインパクトが強いですし、表現の自由度も高い。これからも続けるかって?当然でしょう」

 なんと心強い。では「絶頂を 極めた男が 地獄行き!!ヤッタな!!」などのクセが強い惹句はどういう意図で?

 「デイリーの見出しを考える人に聞いてみて。絶対同じ感覚やから。なんならあなたが書いてくれてもええで。いや、書いてよ。書いて書いて」

 (この人は何を言い出したんだ…)ネットで注目されることについてはどうですか?

 「そんなん言わんといて!手が震えるから!」

 というわけで、最後はよくわからないところに着地してしまいましたが、最高に味わい深い手描きの映画看板を見に、みなさんも新世界へ足を運んでみてはいかがでしょう。ちなみに併設されている成人映画館の看板も八条さんの作品です。

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