そのうちに場面が切り替わり、主人公の優弥が登場。先ほどのシーンは優弥の夢だったようだ。優弥は淡路弁。聞いていて少し恥ずかしくなるような再現度の高さに驚く。淡路島の南部、南あわじ市福良にある淡路人形浄瑠璃の上演施設、淡路人形座の前を通って学校へ向かうのだが、風景もリアル。人形座の外観からも、制作陣の気合が感じられた。
その後、優弥は古代にタイムスリップし、島内の村々を回って島の歴史や食べ物に触れ、仲間と出会って物語が進んでいくのだが、ゲーム全体に漂う淡路島愛がすごい。
■モンスターはタマネギに渦潮……ゲーム内にあふれる“淡路島愛”
五斗長垣内(ごっさかいと)や松帆(まつほ)、舟木(ふなき)といった村名は、実際に島内にある遺跡の名前だ。どことなく説明くさい村の住人のセリフには、ゲームのヒントとともに土器や塩の製法など、島の歴史や名物の情報が織り込まれている。フィールドも全体を見ることはできないが、今は島のどこを移動しているのだろう、とわくわくした。
敵のモンスターは一般公募し、島内の小学生や、南あわじ市の守本憲弘市長らが考えたデザインを基に作成した。島特産のタマネギや鳴門海峡の渦潮、島内で多数出土した銅鐸をモチーフにしたモンスターは、とぼけたものや、おどろおどろしいものなど多彩だ。
■島を訪れてアイテムゲット!リアルと連動したクーポンも
そして、このRPGには一般的なスマホゲームとは異なるシステムがある。実際に島内の名所を訪れてGPS通信をすると、ゲーム内で強力なアイテムと交換できるアイテムが手に入るのだ。さらに、島内の観光施設や温泉など26店舗で使えるクーポンもある。
淡路島日本遺産委員会の担当者によると、4月19日現在のダウンロード数は1万弱。ゲームがリリースされて半月以上が過ぎ、島内15カ所のGPS通信の設定場所をコンプリートした人が出てきた。クーポンも使われているという。