戦略と戦術…何が違う?

元自衛官が解説・営業に使える戦闘技術

平藤 清刀 平藤 清刀
 戦略を達成するため、あらゆる戦術を駆使する
 戦略を達成するため、あらゆる戦術を駆使する

〔戦略〕第32普通科連隊長は有害物質を検知し、これを除去せよ。

 具体的に「どうやって」という方法が示されていません。戦略とはそういうものです。目的と任務だけが示されています。この命令を受けて32連隊が現場で行った活動が「戦術」です。

〔戦術〕第101化学防護隊(現、中央特殊武器防護隊)の配属を受けて、散布された毒物をサリンと特定し、除染作業を行った。

 では、ビジネスの場面に置き換えて考えてみましょう。

 「営業戦略」とか「販売戦略」とか、よく「○○戦略」という言葉が使われます。営業と販売ではノウハウが違いますし、次元の異なる話ですが、共通しているのは「中長期的な目標を定めて、いかにして達成するかという筋書き」です。あるいは会社を将来どのように成長させるかといった、会社全体の成長戦略も同じで「会社が目指すべき方向」「どんな会社に育てたいのか」といった目標を定めることが戦略です。

 これに対して「戦術」は、戦略を実現するためには何をやるか・やらないか、具体的なアクションプランを指します。すべての戦術は、必ず戦略に基づいて実行されます。ひとつの戦略を実行するために、複数の戦術がそれぞれ連携し合いながら動くこともあります。

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