新規のクライアントを開拓してパートナーになってもらい、いかにして自社(自分)の利益に結び付けるか…。営業活動は、自衛隊の戦闘部隊が敵部隊を攻撃する行動パターンとよく似ています。命令下達を受けて、いざ敵陣地を目指して前進開始。ビジネスの場面では、事前の根回しの段階です。予期しない敵との戦闘の危険もある中、あらゆる情報や兆候に注意を払わなければなりません…。
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命令下達を受けた部隊は、示された時間までに所定の位置に展開して、敵陣地を目指して前進を開始します。敵陣地に向かって進むわけですから、進めば進むほど危険が増します。狙撃兵に狙われるかもしれないし、途中で待ち伏せしているかもしれません。あるいはトラップが仕掛けられていたり、あらかじめポイントを絞って集中砲火を浴びてきたりするかもしれません。とにかく、まったく油断ならない緊張を強いられる場面です。
ビジネスの場面に置き換えると、見込み客に会ってもらうためのアポをとる。あるいは、すでに先方に人脈をもつ人と繋がっているのであれば紹介を頼んだり、自社の好印象をアピールしておいてもらったりするなど、いわゆる事前の根回しの段階といえます。
さて、戦闘には大きく分けて「攻撃」と「防御」があることは、すでに書きました。攻撃において大半の時間を費やすのが、じつは攻撃前進です。いうなれば、目標を絞り込んでアポをとり、やっと時間をつくって会ってもらえた見込み客と、ビジネスの話をする段階に入ったわけです。まずは自社の特性、商品やサービスの特徴を説明して、買う気にさせる大事な局面です。ここでしくじったら、仕切り直しはほぼ絶望的です。競合する他社が割り込んでくるかもしれませんし、全くノーマークだった新規参入のライバルが現れるかもしれません。そういった「敵」の存在をあるていど想定していても、いつ・どこから現れるかまでは、なかなか正確に予測できないものです。