プロゲーマー梅原大吾ら世界で活躍!五輪種目候補「eスポーツ」の認知広がる

北村 泰介 北村 泰介

 対戦型コンピューターゲームを競技とするeスポーツが日本でも認知されてきた。海外では億単位の賞金が出るゲーム大会も開催され、獲得賞金とスポンサー契約などによって生計を立てるプロゲーマーが続々と誕生している。その中で格闘ゲームのトップ選手に焦点を当てた。

 2010年に日本初のプロ格闘ゲーマーとなった梅原大吾(36)。17歳で世界王者となり、今もカリスマとして海外での知名度が高い。「1/60秒の世界」に生きる動体視力や反射神経、駆け引き…。その姿はまぎれもないアスリートである。

 ベテランとなった梅原は「この業界でうまくやりたいと思っている人たちのサポートをするのも自分の仕事」と後進への橋渡しを意識しつつ、現役として「ちょっとやそっとの逆境では投げない心構えや気概はありますよ」とゲーム道を貫く。

 eスポーツは22年の中国・杭州アジア大会で正式競技に採用。24年パリ五輪ではメダル種目候補となっている。梅原に出場の可能性を問うと、「ゲーム業界全体が注目されることになるのであれば、出てみたいですね」と前向きな言葉が返ってきた。どんなに道を極めても、世間ではゲームが競技や仕事とは認められなかった時代を生きた先駆者ならではの思いが伝わった。

 昨年、米ラスベガスで開催された世界最大のゲーム大会『EVO』の「ストリートファイターV」部門で優勝した東大卒プロゲーマー・ときど(32)。世界初のプロ格闘ゲーマー夫婦・ももち(32)とチョコブランカ(31)。梅原に続く実力者たちも台頭している。

 大阪を拠点に活動する女性プロ格闘ゲーマー・たぬかな(25)は50代の父がファミコン世代のゲーマーだった第2世代。「1位を取りたい」と悲願の海外大会初制覇を掲げ、日々練習に励んでいる。

 会社員との二刀流で活動する社会人プロ格闘ゲーマー・ネモ(33)は「将来への不安からプロにならない人をなくしたい。自分が前例を作っていければ」と、裁量労働制や有給休暇を活用して仕事を両立させている。

 プロゲーマーの肉声を聞くことで、「新しい職業」を確立しつつある業界の未来が輪郭を伴って見えてきた。

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