30年ずっと変わらない、「素材そのまま」への追求
そもそも「Sozaiのまんま」シリーズとしては、「茸のまんま」が2014年に誕生(最初は中部エリア限定)。コンビニの商品改廃に合わせて、味わいポン酢、広東風海鮮、わさび、コンソメ、蒙古タンメン、バター醤油・・・など短いスパンでさまざまな味が発売されており、「茸のまんま」ファンとしても追いつかないほどだった。
──「茸のまんま」が評判良くて、コロッケなどほかの商品も挑戦してみようとなったと。
実は昔から「おさつどきっ」を発売していまして、30年近く作らせていただいてるんですけど、そのころから『素材を使う』というのはずっと一貫してやらせていただいてるんです。なかなか日の目を見る商品がなくて企画倒れしたものも多かったんですけど、そのなかでようやく久々に出たのが「茸のまんま」のうす塩味としょうゆ味だったんですね。しょうゆ味のほうが評判よくて、なんでかなって考えると、やっぱりきのこ焼いて食べたりするときはやっぱり醤油かけたりとか、実際の食経験に近いほうが受け入れやすいのかなと気付きまして。我々もそこに傾いていきました。
──ほんとに「茸」そのものの味がスナックになってますもんね。
きのこ苦手な人は全然ダメだったみたいですけど(笑)。そのまますぎて、苦手な人が食べて「スナックちゃうやん」と(笑)。そういう意味ではちょっとニッチなのかもしれないですね。
──こういった素材を使ったスナック菓子は、昔から一貫しているんですね。現在UHA味覚糖さんから発売されてるスナックのラインアップを見ると、「おさつどきっ」(3種)や「さつまんま」(2種)など・・・どちらもパッケージには「そのままの美味しさ」と表記されています。
UHA味覚糖としては「おさつどきっ」など、ずっとさつまいもメインでやってきていました。芋けんぴが固くて、もっとサクサクに軽い食感にできないかなというのがきっかけで「おさつどきっ」が生まれたんです。この頃から素材にこだわるっていうのがずっとありまして、大好きなんですね、「そのまま」っていうのが(笑)。
──「素材そのまま」というスタイルは、 「茸のまんま」や今回の「コロッケのまんま」のような商品でいきなり挑戦したわけでなく、その姿勢は30年前からまったく変わってない。変わらずに、今の現代人の生活スタイルに合わせた結果、こういう惣菜シリーズが生まれたということなんですね。
まさにそうです。我々は「コロッケ」とかいきなりぶっ飛んだことをしたわけではないんです(笑)。
──UHA味覚糖といえば、「ぷっちょ」や「e-maのど飴」「コロロ」などグミやキャンディのイメージがやっぱり強いですが、そのなかでのスナック菓子のあり方として意識していることはありますか?
なんでもそうですけど、やっぱり「今までと違うおもしろいもの」っていう付加価値を付けていかないと新商品は非常に難しいですよね。基本的にベースがあって、そこにシーズニングといわれる味付けをおこなって、風味が変わるっていうところがスナックの主だったと思うんですけど、我々はそうじゃなくて、「素材」というところにしっかりこだわって作っていくのが、今までのスナックと違っておもしろいんじゃないかなと。新しさも見出していけるんじゃないかなと、挑戦させてもらっています。
──ほか「海老焼売のまんま」「鶏肉とナッツ炒めのまんま」「野菜炒めのまんま」といった惣菜シリーズも続々発売されていますね。
海老焼売もコロッケとは考え方が同じで、1粒1粒で食べられて、みなさんが受け入れてくれそうなメジャーなものを選びました。ボツネタももちろんいっぱいありますよ。コロッケもいろんな味を試しましたし。素材をどうお菓子にできるかなど、これからの技術課題でもありますし、シリーズの新作も今後の楽しみということでお待ちいただけたらと思います。
数々の惣菜を「まんま」にする同シリーズ。最近は、「コロッケのまんま」の「串かつだるま」ソーズ味など、コラボ味も登場。ひきつづき攻めた味わいを期待したい。