しかし果たして本当に、「寝耳に水」と言えるのかどうか。
実を言うと、今回のライザップ株暴落の一件は、有価証券報告書などの決算書類を注意深く読んでいたならば、事前に予想することが可能だったはずだからだ。
なぜならライザップの好業績は、本業、つまりスポーツジムの経営が好調だった一方で、M&Aによる買収後1年以内のグループ企業の経営不振によるものだからだ。そしてそのことは株式投資、あるいは企業経営に関して少しの基本知識さえあれば、容易に見抜くことができたはず。
そうした意味で言えば、ライザップのケースは、決して「寝耳に水」というものではない。ゴーン会長逮捕のケースとは、まったく違うと言えよう。
いずれにしても、株式市場は、まったくのシロウトが手を出す場所ではない、ということは肝に銘じておくべきだろう。