「1人で抱え込まず相談を」認知症の父親をPAに置き去り

介護は抱え込まずにまず相談を (C)IROHA - Fotolia
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 介護が必要だと思ったり、これからの生活に不安を感じたりした時の相談先として、お住まいの地域ごとに「地域包括支援センター」があります。センターには、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士など高齢者の生活全般の相談に対応できる専門職がいます。介護保険の相談はもちろん、認知症についての相談もできます。また、介護サービスの利用や専門病院の受診がしにくい場合には「認知症初期集中支援チーム」という仕組みがあり、必要な支援を得られます。まずは気軽に相談をしてみましょう。

 また、介護保険は65歳から第1号被保険者となりますが、利用には要支援・要介護認定を受けることが必要で、申請から認定までは1か月程度かかります。介護や支援が必要かもしれないと思ったときには、早めに相談や手続きを行いましょう。

 とはいえ、施設入所ではなく在宅介護を行う場合、いくら介護サービスを使ってもやはり家族が対応する場面がいろいろあります。そして、「あぁ、疲れたな。いつまで続くのだろう。」という気持ちになることもあるでしょう。そんな時、その気持ちを発散する手段を日ごろから見つけておくことも大切です。趣味があるのであれば、介護サービスを使って時間をつくり趣味を楽しむのは良いことです。また、「認知症の人と家族の会」などが主催する家族介護者のつどいや認知症カフェなどで地域の家族介護者と交流し、話をしたり聞いたりすることも良いでしょう。

 もし、冒頭のニュースの娘がもっと早くに父親の介護の相談をして、1人で抱え込まなくても良い状況となっていれば、事件は起こらなかったのではないかと思います。これからの超高齢社会で誰もが安心して暮らせる地域社会をつくるためには、私たち1人ひとりが、介護は1人や家族だけで抱え込まずに地域社会で理解し取り組むものであるという認識を持つことが大切です。

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