65歳以上の高齢者の方が受けられる「介護保険」ですが、実は、特定の病気の方は40歳以上から対象となります。意外と知られていない「介護保険」の仕組みと、申請方法やサービス内容について、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。
特定の病気は40歳以上から対象
――介護保険とは、どんな方が受けることのできる保険なのでしょうか?
65歳以上の高齢者の方は、全員受けることができます。また、脳卒中やパーキンソン病などの身体に不自由が起こる”特定疾患“と呼ばれる病気の場合は、40歳から受けることのできる保険です。もしも病気になった場合には、ヘルパーさんや訪問看護師さんが来てくださったり、自宅でリハビリテーションを受けられたりするようなサービスがあります。さらに、通院でリハビリテーションを受けたり、介護施設に入所したりすることも可能です。
――脳卒中による後遺症をお持ちの方も介護保険の対象になるのでしょうか?
もちろんです。40歳以上であれば、介護保険の対象となります。
――どのような手続きを行えば良いのでしょうか?
区役所などの市町村窓口や、神戸市であれば「地域包括支援センター」である「あんしんすこやかセンター」に相談し、申請してください。
――介護保険では、家の介護リフォームなどのサービスも受けられるのですね。
そうですね、介護リフォームもサービスに含まれています。ただ、要介護認定の度合いによってサービスを受けられる時間数が異なってきます。「要介護5」の方がサービスを受けられる時間が最も多く、「要介護4〜1」さらに「要支援2〜1」と、受けられるサービス内容が変わっていきます。
――介護保険は、65歳以上の方が受けられるというのは多くの方が知っていますが、特定の病気の方は40歳以上であれば受けられるというのは、知らない方が多いかもしれませんね。
そうですね。ただ、病気になった場合には、院内のソーシャルワーカーが入院中に手続きを進めていきますので、安心していただければと思います。
◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科