消しゴムのカス 床に捨てるのはマナー違反?

金井 かおる 金井 かおる
あかし市民図書館が導入した「消しゴムのカス入れ」=明石市大明石町
あかし市民図書館が導入した「消しゴムのカス入れ」=明石市大明石町

 図書館のサービスカウンター近くに重ねられた紙コップ。そこには「消しゴムのカス入れ」と書かれています。頻繁に閲覧室を利用していた当時(約20数年前)はなかったような気が…。取材すると、山口県のある施設に端を発し、W杯サッカー日本代表にも通じる“公共マナー”でした。

 「昨年の10月1日に導入しました」

 紙コップを設置している兵庫県明石市の「あかし市民図書館」。同館は、2017年1月にリニューアルオープン後、約2年で来館者が100万人を突破。83席ある学習スペースの利用は時間制限で、1日3回の抽選が行われています。

 学習につきものの消しゴムのカス、通称「消しカス」。開館時間内に利用者が入れ替わるため、前の人が使った際に生じた消しカスが机にそのままだと、不快に思う利用者も。そこで他館の事例を参考に取り入れたのが紙コップでした。

 コップは常時50個以上用意。机で出た消しカスは利用者がコップの中へ入れ、退館時に図書館スタッフに渡すという流れ。「清掃の手間も減り、次の利用者にも気持ちよく使っていただけます」

元祖はどこ?

 インターネットで「図書館 消しゴムのカス」と検索すると、約3万5千の情報がヒット。画像検索ではさまざまな図書館が独自の専用ゴミ箱を設置する画像が現れます。

 「消しカス入れをご活用ください」山口大学総合図書館(山口県山口市)がブログを投稿したのは2010年10月。同図書館に電話取材してみると「今もありますよ」。

 「学生さんたちは熱心に勉強されるので消しカスがたくさんでます。館内は飲食禁止でゴミ箱も設置していません。学生さんから『消しカスを捨てたい』というリクエストを受け、専用ゴミ箱を作ったのが発端です」次の利用者のためにきれいな状態にー。学生の気遣いから生まれた取り組みだったのです。

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