ドラマ「大恋愛」は貴重なドラマ 若年性認知症の問題点とは

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
ドラマ「大恋愛」で熱演している戸田恵梨香
ドラマ「大恋愛」で熱演している戸田恵梨香

 戸田恵梨香さんのドラマ「大恋愛」を拝見しています。兵庫県にゆかりのある女優さんで以前から親近感を持っているのですが、今回の「大恋愛」を見るたびに、深く考えさせられました。

 若年性認知症。怖い言葉です。18歳から64歳までに発症し、現年齢が64歳以下の人が若年性認知症と定義されています。これまで、日本では全国規模の若年性認知症調査が2回実施され、それによると10年間で約1・5倍に増えています。年齢とともに有病率は上昇し、5歳年を取るごとに約2倍になる感じで上昇していきます。

 実は、認知症といっても様々な原因があります。若年性認知症の原因で最も多いのが、脳の血管が障害され、梗塞(こうそく)、出血によっておこる脳血管性認知症です。次に多いのが、脳の海馬という部分を中心に萎縮がみられるアルツハイマー型認知症とされています。今回のドラマの症例です。アメリカでは、日本の2~5倍、イギリスでは、2倍、オーストラリアでは3倍の有病率とされています。

 若年性認知症は女性よりも男性が多く、患者さん自身がいわゆる現役世代であることが多いため、この病気になった場合、様々な問題が起きてきます。症状が進行すると、就労の継続が困難になることがあります。その家の経済状態が一気に困窮に陥り、場合によっては生活が立ち行かなくなることもありえます。

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