目の前で大切な人が倒れたときに、その場にいる人の対応にその人の命が左右されるといっても過言ではありません。
先日、土俵で人が倒れたときの看護師さんの対応は、医師の立場からすると見事の一言につきます。どれだけ知識があっても実際に動けるかどうかは、日頃の訓練、意識の持ち方、胆(きも)のすわり方などに左右されます。
今回の場合、心ないアナウンスが流れたにも関わらずに堂々と救命処置を優先したというのは物事の本質を常に捉えた生き方をされているのでしょう。実際、心配停止をした人を1分間放置するだけで生存率が10%ずつ低下するといわれています。まさに1分1秒がその人の人生を左右するのです。
救急車を呼んで、心肺停止の人を放置していると到着時には10分以上経過していることも少なくないでしょう。そうなれば、生存率は限りなくゼロに近くなってしまうのです。そうならないためにも、救急処置を勉強しておくことは大切です。