外科医に伴う大いなる責任…“悲しい事故”は起こしてはいけない

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 病院の待合室。医者を頼ってくる患者の気持ちを忘れてはいけない
 病院の待合室。医者を頼ってくる患者の気持ちを忘れてはいけない

 「外科医になるのって難しいの?素質がいるか?」。最近、ある人に問われました。ご子息が外科医を目指されているとか。改めて、考えてみるといろんなことが頭に浮かびますね。

 私は外科医からスタートしました。大学卒業と同時に東京の三井記念病院に外科のレジデントとして就職しました。そこで言われたことは「外科医とは唯一人を切っても許される職業である。そこには大いなる責任が伴う」と。今考えれば、当然のことです。

 正しい知識、技術、良心が伴わなければ正しい手術を行うことができません。私がレジデントのころは朝から晩まで暇があれば糸結びをしていたものです。会議室の机、ジュースの缶など、結ぶものがあれば、常に手を動かして糸を結んでいました。医療関係者以外の人から見たら、ヘンな人だったかもしれません。

 もちろん、その他の技術や大量の知識を習得することも不可欠です。朝から晩まで手術のこと、医療のことを考えていました。(と言うと、体裁よく聞こえますが、実は要領が悪いので、人の2~3倍時間がかかっただけです)

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