コロナ禍が続く中、美容整形に関心を持つ人たちが増えています。在宅勤務の広がりなどで外出を控えることができるほか、外に出るときもマスクで顔を隠せるため、周囲に気づかれにくい今がチャンスと、クリニックに相談するケースが相次いでいるのだといいます。実際にどのような施術に人気が集まっているのか、東京・代官山にある「ドクタースパ・クリニック」院長の鈴木芳郎医師に聞きました。
インバウンドの患者さんなども多く訪れていた同院。コロナ直後の売上は大打撃を受けたものの、今年の春は日本人の患者さんだけで「コロナ前以前を超える」状態だといいます。「コロナ前と現在を比較すると、やはり患者さんは増加していると思います」と鈴木医師は話します。
特に、この時期ならではの特徴ともいるのが、患者さんの姿勢だといいます。「コロナ前よりも、積極的に手術をされる方が増えています(鈴木医師)」。マスクをしていれば術後でも気づかれず、外出を控えることができれば、ダウンタイム(整形手術後の腫れなどが回復するまでの期間)がかかるものでも、他の人に見られずに済みそうです。「やるなら今しかない」と検討するケースが多いのだそうです。
鈴木医師に、特に人気を集める施術について解説してもらいました。
マスクで隠せる場所だから、きれいにしたい!…「フェイスリフト」
当院での一番人気は「フェイスリフト手術」です。主に「顔のたるみ」を改善する手術で、特に今は「顔の下半分のたるみ改善」を行う手術方法が人気です。手術後に1週間程度は腫れが出ますので、マスクで隠すことができる現在の状況下で注目を集めています。当院に何年も点滴やレーザー治療等のスキンケアで来られている方も、「今だから」と決断してフェイスリフト手術をされる方が結構いらっしゃいます。
▽「フェイスリフト」施術の内容
たるんでいる皮膚を引き上げるため、耳の周辺で皮膚を切開し、余剰皮膚を切除・皮膚の下にある脂肪や筋肉も操作したのち、皮膚を持ち上げて、再度耳周辺で縫合する手術です。当院での費用の目安は165万円(範囲や場所により価格は異なります)です。
手術後、2~3日は相当お顔も腫れますので、人前に出る用事がある方は手術日をよく検討してください。また術後は、よく冷やして回復に努めるようにしてください。
【負担の少ないスレッドリフトも】
皮膚の中にトゲのある糸を挿入して、そのトゲを組織に引っ掛けて、たるみを引き上げる「スレッドリフト」という手術もあります。フェイスリフト手術と比較すると、負担も少ないため、時間のない方や本格的な手術はまだ…とお考えの方に人気です。こちらの当院での費用の目安は44万円(範囲や場所により価格は異なります)です。
手術当日は、お顔の腫れや軽い痛みが出ますので、アルコールは控えて、ご自宅でよく冷やすことを心掛けてください。
マスクで隠せない場所だからこそ、きれいにしたい!…「二重手術」
マスクで隠せない場所が「気になる」ケースも増えています。今の時期だからこそ「目元勝負」と、二重手術を希望される方も多いです。同時にまつ毛育毛剤もよく売れるようになりました。
▽「二重埋没法」施術の内容
こちらはプチ整形としての代表格な施術です。医院によって手技は様々ですが、当院では、切らない埋没法ではありますが、瞼をひっくり返さずに瞼の上から二重のラインを形成する方法で二重形成を行っています。目を閉じたまま(コンタクトをしたままでも)二重手術が終わる点は大変人気を頂いております。当院での費用の目安は14万8500円(Dr.Spa式雑巾縫い法・4点/留める箇所数により価格は異なります)です。
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なお、コロナの感染などにも気を配らないといけないこの時期に、体に負担をかける手術を受けることが気になる方もいるかもしれません。そういった方へのアドバイスを聞くと、「特にこの時期だからという訳ではないのですが、手術をした後はやはり安静にしていただくのが一番です。不要な外出をなくし、ご自宅で安静にしていられる状況が作れるように努めてもらえればと思います」とのことでした。
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◆鈴木芳郎(すずき・よしろう)美容外科・形成外科医師。医療法人社団ドクタースパ院長。形成外科の勤務医として18年間、顔面外傷や顔面奇形、やけどの治療、手の外科、再建外科などを中心に活動。その後、美容外科に専念し、フェイスリフトを中心とする若返り手術を専門に行っている。美容外科「名医101人」に選出されたことがある。
▽ドクタースパ・クリニック
http://www.spacli.com/