■治療を開始したら意外と続けられる
-途中でやめてしまう人も多いのでは。
「3年以上毎日薬を飲み続けないといけないと言うといかにも大変そうですが、意外と脱落する人は少ないのですよ。当院の患者さんは、続けられている人が多いです。40代男性・会社員のAさんは、スギ花粉が飛散するシーズンになると、毎年、鼻づまりや鼻水、眼のかゆみに加え、微熱や倦怠感に悩んでいました。2015年からシダトレンによる治療を始めたのですが、2018年までの3年間は、あまり効果を感じませんでした。ところが、2019年は花粉の飛散量が非常に多いと聞いていたのに、ほとんど症状が出ていません。Aさんは『舌下免疫療法が確実に効いている』と実感しているそうです」
-治療が合わない人もいるのではないでしょうか
「どうしても舌下免疫療法が合わない人もいます。30代男性・自営業のBさんは、数年かかってもスギ花粉症を治したいと思い、思い切って舌下免疫療法をはじめました。使い始めの頃に出る目のかゆみやのどの不快感がありましたが、それらの症状を抑える薬を使えば、特に生活に不便は感じていませんでした。ところが、シダトレンを1カ月ほど使った頃から目の周りがかゆくなり、次第に悪化していったのです。もともとアトピー性皮膚炎があるため、ステロイド軟膏などを使って治療しましたがうまくいきませんでした。シダトレンをやめると3日ほどでかゆみがなくなったのですが、舌下免疫療法はやめざるを得ませんでした」
(続けて)
「残念ながら、舌下免疫療法が体質に合わない人もいますが、軽症であっても毎年春になると『症状が出てつらい』と思う人は、舌下免疫療法を数年続けてQOL(生活の質)を上げることを考えてもいいでしょう。治療を開始する前に、舌下免疫療法の効果と副作用についてよく理解しておくことも、治療を長続きさせる秘訣です」
#《本当に花粉症なのかどうかセルフチェックしてみよう》
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf(2ページ目の図表)