少年法改正は犯罪を増やす

夜回り先生・水谷修/少数異見

水谷 修 水谷 修
水谷修氏
水谷修氏

 また、別な問題もあります。現行の少年法の下では、未成年が犯罪を犯した場合、その氏名についてはまず報道されることはありません。しかし、改正されれば、氏名が公表されることとなります。仮に、高校3年生3人(1人は18歳、2人は17歳)が同じ犯罪を犯した場合、その18歳の1人の高校生については、氏名が公開され、あとの2人については非公開となり、学校での処分やその後の人生について、不平等を作ることとなります。

 いずれにしても、少年犯罪が急激に減少している現在、少年法の適用年齢を民法との整合性だけのために18歳に変更することには、多くの問題はあっても、メリットは存在しません。民法の成年年齢の改正後も、喫煙や飲酒などについては20歳からを維持することと同様、少年法についても現行のままにすべきです。

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