-それでは、これからどんな学力が必要なのでしょうか。
「『大学入学共通テスト』にヒントがあります。そこで問われているのは『情報の活用力』です。試行されたプレテストの内容が公開されていますが、数学の問題は、資料を読み解いて答えるために社会の問題のようだったりします。国語の問題はA4の用紙で50ページ以上もありました。しかも第1問から記述式です。そんなに大量の問題を読みこなし解答することができるのか、という声もあるでしょう。しかし、そのような試験を通して『AIができないことができる力』を問うているのです」
-そんなに大きな変化がすぐそこまで来ていたとは。
「教育改革のことは、もっと多くの人たちに伝わるべきだと思うのに、まだまだ知られていない気がします。教育界でも変化に対応できていないところがあります。お子さんが受験対策で塾に通っていたのであれば、はたしてそこは新しい受験に対応できていたのか。昔ながらのことしか教えていない古い塾に通ったために、合格できなかったお子さんもいるかもしれません」
-親としても、これからの社会の変化をみすえて、子どもがどのようなことを学んでいくべきなのか、考える視点が必要かもしれませんね。しかし…合否はやはり気になりませんか。
「受験するときには、それぞれの学校の良さを整理して、合格したら取り組みたいことを考えておくことが大事ですね。中学受験で受けた学校すべて合格できず、公立学校に行くことになっても、公立ならではの良さもあります。通学時間が短くなりますし、いろいろな友達と過ごして社会経験を広げられるかもしれない。『リフレーミング』ともいいますが、発想の転換がとても大切です。子どもも親も変わっていかないといけないのです」