お受験失敗の子どもに「何と声をかけたらいいのか」…尾木ママに聞く

川上 隆宏 川上 隆宏
AI全盛の近未来に向け、社会も教育も変わっていく(beeboys/stock.adobe.com)
AI全盛の近未来に向け、社会も教育も変わっていく(beeboys/stock.adobe.com)

 -それでは、これからどんな学力が必要なのでしょうか。

 「『大学入学共通テスト』にヒントがあります。そこで問われているのは『情報の活用力』です。試行されたプレテストの内容が公開されていますが、数学の問題は、資料を読み解いて答えるために社会の問題のようだったりします。国語の問題はA4の用紙で50ページ以上もありました。しかも第1問から記述式です。そんなに大量の問題を読みこなし解答することができるのか、という声もあるでしょう。しかし、そのような試験を通して『AIができないことができる力』を問うているのです」

 -そんなに大きな変化がすぐそこまで来ていたとは。

 「教育改革のことは、もっと多くの人たちに伝わるべきだと思うのに、まだまだ知られていない気がします。教育界でも変化に対応できていないところがあります。お子さんが受験対策で塾に通っていたのであれば、はたしてそこは新しい受験に対応できていたのか。昔ながらのことしか教えていない古い塾に通ったために、合格できなかったお子さんもいるかもしれません」 

 -親としても、これからの社会の変化をみすえて、子どもがどのようなことを学んでいくべきなのか、考える視点が必要かもしれませんね。しかし…合否はやはり気になりませんか。

 「受験するときには、それぞれの学校の良さを整理して、合格したら取り組みたいことを考えておくことが大事ですね。中学受験で受けた学校すべて合格できず、公立学校に行くことになっても、公立ならではの良さもあります。通学時間が短くなりますし、いろいろな友達と過ごして社会経験を広げられるかもしれない。『リフレーミング』ともいいますが、発想の転換がとても大切です。子どもも親も変わっていかないといけないのです」

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