お受験失敗の子どもに「何と声をかけたらいいのか」…尾木ママに聞く

川上 隆宏 川上 隆宏
AI全盛の近未来に向け、社会も教育も変わっていく(beeboys/stock.adobe.com)
AI全盛の近未来に向け、社会も教育も変わっていく(beeboys/stock.adobe.com)

 -なぜ変わってきているのですか。

 「2020年度から学習指導要領が変わります。あわせて大学入試もこれまでのセンター試験から新たな『大学入学共通テスト』に変わります。これまでの知識重視から、『思考力』『判断力』『表現力』などを評価する方針に変わりますが、その流れにいち早く対応しているんです」

 -求められている学力が変わるということでしょうか。

 「これまでは人よりも多くのことを知っていることが大事で、大学入試でも知識の量をテストし、そこにつながる中学校でも同じような試験がされてきました。しかし、今は調べることはコンピューターやAI(人工知能)がやってくれる時代です。私だってiPhoneのSiri(シリ=音声アシスタント)はよく使います。しゃべりかけるだけで、いろいろなことがすぐわかります。そんな時代に問われる力はこれまでとは大きく違ってきますね」

 -自分たちの経験してきた学校生活から考えると、問われる学力が変わるなんて、遠い未来のように思えてしまいますが…。

 「駅のコンビニは無人化に向けて実験が進んでいますし、もうすぐクルマは自動運転になるでしょう。その一方でメガバンクでは人員の大リストラが打ち出されていたりします。2030年には今ある仕事の49%をAIがカバーしてしまうといわれていますし、キャリアデザインが抜本的に変わってしまう世の中が、もうそこまできています。OECD(経済協力開発機構)の『Education2030』というプロジェクトチームが、近未来の教育について提言していますが、そこでは『AIを活用する人』という次元からもっと進んで、『どのようにAIと共存できる人をつくるか』というのが人類の課題になるとしています。文部科学省の考えている日本の教育改革も方向は同じですが、知識をこつこつと基礎から積み上げていくような勉強は、もう時代遅れです」

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