電動カート感覚で曲がるハンドリング
スーパーワンが得意とする走行シーンは、タイトターンが連続するような場面だ。とにかくよく曲がる。車体の傾きもグッと抑えられており、まるで電動カートのように、ステアリング操作に対してダイレクトに反応する。
しかも、大きく重い駆動用リチウムイオンバッテリーを床下に搭載しているため、重心高がかなり低い。ペタッと路面に張り付いたような安定感がある。
「こりゃ、たまらん」と、思わず笑顔になるハンドリングだ。ガンガン走っているときだけでなく、ゆっくり走っていても楽しいのが特徴である。
まさかのアルミ鍛造フロントロアアームを採用
卓越した走りを支えているのが、足回りの設計だ。ブリスターフェンダーによるワイドトレッド化に合わせ、サスペンションセッティングを大幅に変更。多くの新開発パーツが投入されている。
フロントサスペンションには、なんと専用設計のアルミ鍛造ロアアームを採用している。軽BEVをベースとしたモデルでありながら、アルミ鍛造ロアアームを採用しているのだ。思わず「凄い!」とうなってしまうほどである。
アルミ鍛造パーツといえば、本格的なスポーツカーにも使われる高コストな素材だ。こうしたパーツを採用していることからも、ホンダがハンドリングにこだわっていることがよく分かる。その結果、足回りの軽量化と路面追従性の向上を実現している。
そのほか、ハブ剛性の向上や左右等剛性ドライブシャフトによるトルクステアの抑制、電動パワーステアリングの最適化、ブレーキの強化も行われている。185/55R15という大径タイヤのグリップ力を十分に生かせる足回りに仕上げられている。
リヤサスペンションも、アクスルビームの板厚を高め、ダンパー減衰力やスプリングレートを最適化している。さらに、ブッシュゴムの高硬度化なども実施。リヤタイヤのスタビリティを向上させ、高い旋回性能を実現している。
スーパーワンは硬めな乗り心地
キレのあるハンドリングを誇るスーパーワンの乗り心地は、街中ではかなり硬めに感じる。路面状態がよければスーッと滑らかに走るが、凹凸が大きい路面では、とくにリヤサスペンションがピョコピョコと跳ねる。
ただ、車体の揺れは一発で収まるため、それほど不快には感じない。本来なら、こうしたリヤサスペンションの動きは気になるところだが、スーパーワンでは、それも個性のひとつとして受け入れられる。
ピョコンと跳ねるたびに、少し気になるものの、これも爽快なハンドリングを実現するためのサスペンションセッティングと考えれば納得できる。快適性よりも走りの楽しさを重視した、スーパーワンらしい味付けといえるだろう。