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飛行ロボット制作 「空飛ぶサメ」を目指したのに…まさかのフグ体形に! ヒレをパタパタ、ぷかぷか進む「フカヒレ」が話題「かわいい部門があったら1位」

モトタキ モトタキ

9月19日、20日に開催された「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」。

このコンテストに出場し、2年連続で宇推くりあ賞を受賞した飛行ロボット「フカヒレ」の動きがXに投稿され、「すごいですね」「『かわいい部門』があったら満場一致で第1位ですね!」など話題を集めている。

フカヒレは、都立産業技術高専 航空宇宙工学コースのフカヒレチームの作品である。

名前はフカヒレだが、フグにも見える丸いフォルム。パタパタとゆったりした動きはたしかにかわいい。これは癒される。

大会では残念ながら、バッテリートラブルが発生したことで全力は出せなかったが、Xには「フカヒレ」がフルパワーで飛行する姿が投稿されている。こちらでは、大会よりもはるか高くを飛ぶフカヒレの姿があった。

飛行ロボコンのミッションは物資運搬。フカヒレも所定の位置まで飛んでいくと、物資を投下する。

しかし、なぜこのデザインでフカヒレなのか。その性能は、どんなものなのか。フカヒレチームの代表学生であるneduさん(@nedu_san_0223)に話を聞いた。

――なぜフカヒレと名付けられたのでしょうか。

nedu:フカヒレチームは、研究室の同期4人で構成されているチームです。昨年4人でなにかおもしろい無人航空機(ドローン)を作ろうと話し合っていたとき、私が学校に置いていたサメのぬいぐるみが目にとまり、「空飛ぶサメを作ったらおもしろいんじゃないか」と一人が言い出したことから、プロジェクトが始まりました。

したがって、当初のコンセプトはサメ型無人航空機であり、ヒレの動きが特徴となる機体を目指したため、サメのヒレを扱った食材である「フカヒレ」を名前に決めました。

しかし、飛行ロボコン出場にあたり、全長制限に収まるように設計した結果、とてもサメとは似ても似つかない、ずんぐりむっくりなフォルムになってしまいました。

――2年連続「宇推くりあ賞」を受賞した決め手は?

nedu:ベストプレゼンテーション賞・宇推くりあ賞は飛行ロボコンにおけるポスターセッションにおいて、優れたポスターを制作したチームに贈られる賞です。

そのため、受賞については、昨年度はフカヒレちゃんの特徴を大きくアピールできるかわいらしいポスターであった点、本年は、フカヒレちゃんの技術的な特徴をしっかりとアピールしたポスターであった点を評価いただいての受賞だと考えています。

――今回起きたバッテリートラブルの原因の考察と対策は?

nedu:本番で使用したバッテリーが劣化しており、蓄電能力が低下していたため、本番競技時に十分な電力が確保できなかったことであると考えています。

大会出発前、予備のバッテリーを確保しようと研究室にあるリポバッテリーをたくさんかき集め、用意しました。しかし、研究室内にあるバッテリーの品質を信頼していたため、一つひとつの劣化具合の検証を行っていませんでした。その結果、大会当日に競技に使用するために選んだバッテリーの劣化に気づくことができず、大会本番でフルパワーを出せない事態に陥ってしまいました。

今後の対策として、使用するバッテリーの使用開始日、そして充放電回数の管理と把握をすること、また、大会に持っていく前のバッテリー点検、競技開始前のバッテリーの点検の徹底を行い、後輩にも教訓を引き継いでいきたいと考えています。

――フカヒレの性能を教えてください。

nedu:一般的な無人航空機は、プロペラを高速回転させて、浮く力と前進する力を確保して飛行します。このプロペラ推進は非常に推進力が高く、機体の運動性能が高いという利点があります。一方、硬いプロペラが高速回転しているため、駆動用モーター停止時の墜落リスクや、人やモノに接触した場合の安全上のリスクを考慮する必要があります。

対してフカヒレちゃんは、胴体のバルーンに内包されているヘリウムガスの浮力と、パタパタと動く柔らかいひれの推進力で浮上して前進しています。そのため、一般的なプロペラ推進の無人航空機と比較して推進力が弱く、運動性能が劣るという欠点がある一方、急激な墜落のリスクが小さく、また人や物に接触しても安全であるという利点があります。

これがフカヒレちゃんの特に大きな特徴であり、ほかの無人航空機と大きく異なる点であると考えています。

また、フカヒレちゃんは飛行ロボコンの全長制限の都合上、全長が1.7m弱で製作されています。これは、従来のバルーンタイプの羽ばたき推進無人航空機の中では特に小型なものであり、このサイズに収まる範囲内で、空調など多少の風がある環境の中で、十分な推進力を確保するひれと、その反動を抑えるボディの開発には非常に苦心しました。

――社会で実用するなら、どんな可能性があるでしょうか?

nedu:フカヒレちゃんの性能は一般的な無人航空機に劣るものの、非常に安全性が高い無人航空機である点が大きな特徴です。また、その独特な見た目や動きは、多くの人の目を引き、楽しませるものとなっています。したがって屋内での空間演出や、エンターテイメント領域での活用に親和性が高いと考えています。

具体的には、ショッピングモールやイベント会場など多くの人が利用する屋内公共空間での広告宣伝や、パフォーマンスとしての活用、テーマパークやミュージカルなどエンターテイメント現場における海の中の演出などにおいて実用化されると、とても楽しいものになると考えています。

――今後、フカヒレ以外で、開発してみたいロボットはありますか?

nedu:私個人的には航空宇宙技術が好きであり、その技術を社会に役立てて、広げていきたいと日ごろ考えています。また、楽しい技術・人々をわくわくさせる技術が好きなので、その両方を満たすプロダクトとしてフカヒレちゃんを製作しました。

そのため、将来はロボットではありませんが、空や宇宙といった現在多くの人々があこがれとしているフィールドを、もっと気軽にアクセスできるようになるようなモビリティの開発に携わり、航空宇宙技術で人々を楽しませたり、役に立てるような技術開発を行いたいです。

――投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

nedu:ここまで多くの方に見ていただけたことには、純粋に驚いています。ぜひ、これを機会に多くの方々に飛行ロボコンや無人航空機技術に興味を持っていただき、親しんでいただきたいです。

   ◇   ◇

日本航空宇宙学会が主催する「全日本学生屋内飛行ロボットコンテスト」には、学生であれば誰でも参加が可能。日本中の無人航空機技術に興味がある学生たちの作品が集まるので、力試しの場として最適のイベントだ。

また、フカヒレの飛行パフォーマンスは10月31日、11月1日に開催される都立産技高専荒川キャンパス学祭で見ることができる。気になった人は、ぜひ実機をその目で確認してみよう。

【neduさん関連情報】
▽Xアカウント
https://x.com/nedu_san_0223

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