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アドバイスされただけで→「もうダメだ」と激しく落ち込む人々 周囲はちょっとした注意さえもできず……幼少期の親の育て方が影響しているかも?【臨床心理士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

職場や日常の場面で、ちょっとした注意やアドバイスを受けただけなのに「自分は全否定された」「もうおしまいだ」と激しく落ち込んでしまう人がいます。相手に人格否定の意図はなく、単に事実の確認や改善の指摘をしただけでも、受ける側にとっては絶望的な出来事として捉えられてしまうことがあります。

なぜ軽微な指摘を全否定として受け止めてしまうのでしょうか。その深層心理や認知の仕組み、冷静に事実を受け止めるメンタルコントロール術、周囲の適切な対応について、臨床心理士・公認心理師で、恋活・婚活スクール【and her】を運営されている田口ともさんに話を聞きました。

完璧主義と幼少期の過干渉が影響?

ー軽微な注意や指摘を受けただけで「全否定された」と絶望するのはなぜですか?

「完璧でなければならない」「こうあるべきだ」という強い思い込みや、幼少期の環境が影響していると考えられます。

子供の頃に完璧でないと怒られたり、過干渉な親から「またできていない」と責められ続けたりした経験があると、失敗や指摘を過剰に恐れるようになります。そのため、わずかな注意を受けただけでも「怒られないようにしなければ」という防衛反応が過敏に走り、自分の全てを否定されたように感じて絶望してしまうのです。

ー全否定に陥ってしまう認知のメカニズムとはどのようなものなのでしょうか?

「事実」と本人の「解釈」が混同されているというものです。例えば真っ白な紙に小さな黒い点が一つ入ったとき、事実としては「紙に点がある」だけですが、全否定モードになると「紙が汚れたからもう終わりだ」と捉えてしまいます。

「汚れた」というのは本人の解釈に過ぎません。指摘した側には「点を生かしてニコちゃんマークを描くのもいいね」など次の展開があるかもしれないのに、全否定モードだとネガティブな解釈一択に走ってしまいます。

ー「感情的な全否定」と「客観的な事実」を切り離すにはどうしたらいいですか?

その場面を一枚の写真のように切り取り、第三者が見ても言える「事実」と自分の「解釈」を線引きして整理することがおすすめです。

「上司に怒鳴られた」「人格否定された」というのは本人の感情や解釈であり、客観的な事実は「どのような声量でどんな言葉を言われたか」に過ぎません。写真を描写するように状況を冷静に把握することで、解釈による全否定の受け止めを和らげ、ワンクッション置くことができます。

ー過剰に落ち込んでいる人に対し、周囲はどのように接し声をかけるのが適切ですか?

「元気を出せ」「あなたが間違っている」といった直接的な言葉は逆効果になるためおすすめしません。相手を肯定も否定もせず、誰のことも指さない客観的な例え話などを用いて、ある出来事に対する解釈は何通りも存在することに、本人が自ら気づけるような働きかけをするのが効果的です。

誰しも、感情的になると視野が狭まり、「〜に違いない」と一つの解釈に固執しがちになるものです。そんな時、周囲は「変化させよう」という姿勢よりも「新しい風(視点)をそっと入れてみる」くらいの関わりが好ましいのではないでしょうか。

◆田口とも(たぐち・とも) 臨床心理士/公認心理師/LCIQ®︎診断士
「どうせ自分なんて恋愛も結婚もできない…」と自信をなくしている方の背中をピシッとさせてポンッと押したい、という想いから恋活/婚活スクール【and her(あんどはあ)】を運営。あなたを「また会いたい」そして「ずっと一緒にいたい!」と思われる人に育てます。

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