自転車で街中を走る際、一時停止の標識のある交差点で、どのような対応をしていますか。多くの人はスピードを少し落としただけで、そのまま通り抜けてはいないでしょうか。
「ブレーキをかけて止まったつもりだった」「安全を確認したから大丈夫」と思っていても、警察官に呼び止められて一時停止の違反を指摘されるケースが後を絶ちません。2026年からは自転車にも青切符(交通反則通告制度)が導入され、一時不停止も反則金の対象となるため、これまで以上に正確なルール理解が求められます。
では、自転車運転における法律上の正確な「一時停止」の定義は、どのように定められているのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに聞きました。
車輪の完全静止と安全確認が必要
――道路交通法が定める自転車の「一時停止」の正確な状態とは何ですか?
道路交通法における「一時停止」とは、自転車の車輪の回転が完全に止まった状態を指します。ただスピードを落としたり、徐行しながら左右を確認したりするだけでは、一時停止とは認められません。
標識のある位置や停止線の直前で車輪を完全に止め、その上で左右の安全をしっかりと確認することが、法律上の義務となります。「止まったつもり」の減速走行は、法的には違反行為とみなされてしまいます。
――「足を地面に着けること」は、法律上の一時停止の必須条件になりますか?
道路交通法上、「片足または両足を地面に着けなければならない」という直接の文言や明確な規定はありません。しかし、自転車に乗ったまま足を着けずに停止状態を保つのは難しく、車輪が完全に止まったことが周囲から判別しづらい側面があります。
そのため、「止まったつもり」という曖昧さをなくし、自身が客観的かつ確実に一時停止した状態であることを周囲や警察官に示すためにも、足をしっかりと地面に着けることが確実で安全な方法といえます。
――「スピードを落としたが車輪は動いていた」場合の法的扱いは、どうなりますか?
どれだけ速度を落として安全確認を行ったとしても、車輪がわずかでも動いていれば法的には「徐行」に過ぎず、「一時停止」とは認められません。この場合は道路交通法第43条違反にあたる「指定場所一時不停止等」となり、摘発の対象となります。
「車が来なかったから」「徐行したから問題ない」という自己判断や主張は法的に一切通用せず、完全に車輪を静止させないかぎり、一時不停止として扱われます。
ー青切符導入に伴い、自転車の一時不停止で科される反則金や罰則は?
自転車への青切符(交通反則通告制度)導入に伴い、一時不停止も反則金の納付が必要な対象違反となりました。指定場所一時不停止等違反と判定された場合、5000円程度の反則金が課されることになります。
反則金を納付しない場合や悪質な違反行為と判断された場合は、刑事手続きへ移行し、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金という重い刑罰が科されるリスクがあるため、日ごろから確実な完全停止を徹底することが重要です。
◆北村真一(きたむら・しんいち) 弁護士
「きたべん」の愛称で、大阪府茨木市で知らない人がいないという声もあがる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。