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「相場より安かった」中古マンション 返済は月20万 老後資金を貯めながら無理なく返せるか心配です【FPが解説】

八幡 康二 八幡 康二

住宅価格の値上がりや金利の先行き不透明感を背景に、住宅ローンへの不安の声がSNSでも目立っています。借りられる額いっぱいまでローンを組むことで、その金額を無理なく返せるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

 

会社員のAさんは先日、同期のBさんからうれしい報告を受けました。都内近郊の中古マンションを「相場より安かった」と喜び、5000万円の住宅ローンを契約したというのです。年収750万円のBさんは、変動金利なら今より返済額を抑えられたものの、この先の金利上昇が不安で、あえて固定金利3%を選んだといいます。 月々の返済額は20万円になる見込みです。 

祝福しつつもAさんは、この金額は年収に対して無理のない範囲なのかや、月20万円を返しながら教育費や老後資金を貯めていけるのかが心配になってしまいます。Bさんのような借入額や返済額は、一般的にどう評価されるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの橋本ひとみさんに話を聞きました。

審査を通ることと、無理なく返せることはまったく別

――住宅ローンの借入額は、一般的に年収の何倍が目安とされていますか

一般的には年収の5倍から7倍程度が目安です。

Bさんの場合、年収750万円に対して5000万円の借入なので年収倍率は約6.67倍となり、目安の範囲内に収まっています。数字だけを見れば、銀行が融資を判断するのも納得できる水準であり、一見すると無理のない借入に見えます。 

――年収に占める返済額の割合は、どう考えればよいのでしょうか

年間の返済額が年収に占める割合を、返済負担率といいます。Bさんのケースで試算した場合、月20万円を年間換算すると240万円、年収750万円で割ると約32%です。

金融機関の審査基準は、年収に応じて30%から35%程度が上限のことが多く、借入が他になければぎりぎり通る金融機関もある、という状況です。

――審査に通る金額と、無理なく返せる金額は、どう違うのでしょうか

審査は返済負担率や信用情報など、決められた基準を満たすかどうかを判断するものです。そこには教育費や老後資金、急な出費といった将来の家計事情までは含まれていません。

Bさんの返済負担率は約32%で、金融機関によって審査が通るかどうかが分かれる水準です。たとえ審査に通ったとしても、それはあくまで「貸せる」という金融機関側の判断にすぎません。

将来の家計事情まで含めて無理なく返せるかどうかは、また別の話なのです。 

――無理のない借入額にするために、契約前にできることはありますか

教育費や老後資金も含めたライフプランシミュレーションを行い、返済負担率を20%から25%程度に抑えられているか確認するとよいでしょう。

住宅金融支援機構が2026年7月に公表した最新調査では、総返済負担率は全国平均で22.8%でした。Bさんと同じ中古マンションの購入者の場合、ほぼ20%程度に収まっているのが実態であり、この水準が一つの目安になります。 

Bさんの年収750万円で計算すると、返済負担率を20%から25%に収める借入額は、およそ3250万円から4060万円です。実際の借入額5000万円とは1000万円以上の差があり、この幅こそが「審査に通る額」と「無理なく返せる額」のギャップだといえるでしょう。 

◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ) ファイナンシャルプランナー
 銀行勤務12年を経て、現在は企業の経理を行う。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。

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